1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01440008
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
脇本 哲 九州大学, 農学部, 教授 (30038286)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古屋 成人 九州大学, 農学部, 助手 (10211533)
津野 和宣 九州大学, 農学部, 講師 (50207429)
松山 宣明 九州大学, 農学部, 助教授 (40108676)
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Keywords | イネもみ枯細菌病菌 / 非病原性変異株 / トマト青枯病 / イネもみ枯細菌病 / 発病抑制 / 生物的防除 |
Research Abstract |
イネもみ枯細菌病菌(<Pseudomonas>___ー <glumae>___ー)は各種重要植物病原細菌に対して幅広い抗菌スペクトラムを示す細菌であることを発見し、これから選抜または誘発した非病原性菌株を利用することによって、重要な土壌伝染性細菌病であるトマト青枯病(病原菌:<Pseudomonas>___ー <Solanacearam>___ー)とイネもみ枯細菌病を生物的に防除することを試み、その発病抑制機構についても検討した。トマト幼苗の根部を非病原性イネもみ枯細菌病菌の菌液に一定時間浸漬し、その後トマト青枯病菌を接種した場合、青枯病の発病が顕著に抑制された。発病抑制効果は抗菌物質産生性株の他、非産生性の変異株、死菌及び菌体外多糖(EPS)でも認められたことから、この機構には抗菌物質産生性よりも、菌体外多糖(EPS)が深く関与していることが推察された。非病原性イネもみ枯細菌病菌でイネ種子を処理した場合、イネ幼苗腐敗症の発病がほぼ完全に抑制されることを発見した。この効果の程度には、供試する病原性菌株と非病原性菌株との組み合わせによって顕著な差異が認められた。さらに供試するイネ品種によってもその抑制効果は異なり、非病原性菌株による発病抑制効果には菌株間差異及び品種間差異が存在することが明らかとなった。しかし、非病原性菌株N7503は供試した全ての病原性菌株による感染及び発病を抑制し、品種間差異も認められず、その効果はカスガマイシン、キャプタン水和剤のそれに近いものであった。さらに発病抑制効果はもみ枯症状に対しても認められ、イネもみ枯細菌病の生物的防除株としての利用の可能性が示唆された。この発病抑制効果の機構は非病原性菌株の拮抗作用によってイネ苗組織内外における病原性菌株の増殖を抑え、さらに病原性菌株によって産生される毒素の活性を低下することによるものであることを明らかにした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Wakimoto,S.,Hirashima,K.,Wang,Z.,Tsuchiya,K.& Matsuyama,N.: "Standardization of the method for evaluating virulence of Pseudomonas glumae strains to rice seedlings." Ann.Phytopath.Soc.Japan.
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[Publications] Wang,Z.,Mtsuyama,N.& Wakimoto,S.: "Effect of nitrogen concentration in the culture medium on the pigment productivity and virulence of Pseudomonas glumae strains." Ann.Phytopath.Soc.Japan.
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[Publications] Wang,Z.,Matsumori,M.,Matsuyama,N.& Wakimoto,S.: "Virulenceーmediating factors in culture filtrate of Pseudomonas glumae,the causal agent of bacterial seedling rot of rice." Ann.Phytopath.Soc.Japan.
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[Publications] Wang,Z.,Tsuchiya,K.,Matsuyama,N.& Wakimoto,S.: "Plasmid in the mutant strains raised from Pseudomonas glumae strain Kyu82ー34ー2." Ann.Phytopath.Soc.Japan.
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[Publications] Koga,K.,Wang,Z.& Wakimoto,S.: "Pathogenicity of the Tn5 inserted mutants of Pseudomonas glumae." Ann.Phytopath.Soc.Japan.