1991 Fiscal Year Annual Research Report
バイオテクノロジ-技術導入による植物病害防除法の開発に関する研究
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01440009
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
大内 成志 近畿大学, 農学部, 教授 (70026433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松田 一彦 近畿大学, 農学部, 助手 (00199796)
深溝 慶 近畿大学, 農学部, 講師 (50181243)
内海 龍太郎 近畿大学, 農学部, 助教授 (20151912)
豊田 秀吉 近畿大学, 農学部, 助教授 (00150805)
後藤 幸男 近畿大学, 農学部, 教授 (00012716)
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Keywords | うどんこ病 / PR蛋白 / キチナ-ゼ / 病害抵抗性 / アグロ感染 / 遺伝子発現解析法 / 交叉防御 / 宿主忍識 |
Research Abstract |
平成3年度の研究成果は次のように要約される。大内は菌類病における病原体の感染戦略並びに宿主植物の抵抗機構の分子生物学的基礎について総括した。豊田・大内はナス科植物青枯病菌に寄生するバクテリオファ-ジの宿主認識機構に関与す遺伝子を単離するためそのDNAの物理地図を明らかにするとともに、認識蛋白の特定を試みた。重岡・大内はうどんこ病感染時に特異的に発現する遺伝子をcDNAプロ-ブを用いて分離することに成功した。また、PR蛋白を分離するとともに感染特異的転写産物との関連を調べた。豊田・大内は宿主抵抗性に関与するとされているキチナ-ゼの実質的役割についてオオムギ、メロン、イチゴ、バラのうどんこ病を用いて検討し、キチナ-ゼがこれらうどんこ病菌の吸器を分解することを実証した。また、土壌より分離した抗菌性細菌のキチナ-ゼを分離精製するとともに、その遺伝子をクロ-ニングした。大内・豊田はA.rhizogenes感染によって得た形質転換体のリポ-タ-遺伝子の発現が植物の種類によって異なることを明らかにし、導入遺伝子の発現が導入植物の遺伝子によって制御されるものと考えた。大内・豊田はTMV外被蛋白遺伝子をPCR法によって増変し、オオムギ子葉鞘、タバコ培養細胞に顕微注入した結果、いずれにおいても導入遺伝子は発現し、特に、タバコ細胞ではTMV増殖を阻害することを明らかにした。交叉防御の細胞レベルでの実証である。豊田・大内は菌類で有効なrDNAを組込んだベクタ-を構築し、オオムギうどんこ病菌の諸種感染器官に顕微注入した結果、相同組換えによると考えられる形質転換体を得た。また、分子雑種形成に基づく病原菌並びに宿主細胞における外来遺伝子の発現解析法を確立した。体細胞変異を利用した萎黄病抵抗性イチゴクロ-ンについては、圃場試験によって実用的であると判定された。また、イチゴで問題となっている炭そ病抵抗性クロ-ンも得ている。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Seiji Ouchi: "Molecular biology of fungal host parasite interactions." In Molecular Strategies of Pathogens and Host Plants(S.S.Patil,S.Ouchi,D.Mills and C.Vance,eds.),Springer Verlag,New York. 15-28 (1991)
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[Publications] H.Toyoda,K.Kakutani,S.Ikeda,S.Goto,H.Tanaka and S.Ouchi: "Characterization of deoxyribonucleic acid of virulent bacteriophage and its infectivity to host bacterium,Pseudomonas solanacearum." J.Phytopathology. 131. 11-21 (1991)
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[Publications] H.Toyoda,K.Horikoshi,Y.Yamano and S.Ouchi: "Selection for Fusarium wilt resistance from regenerants derived from leaf callus of strawberry." Plant Cell Reports. 10. 167-170 (1991)
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[Publications] T.Komano,R.Utsumi and M.Kawamukai: "Functional analysis of the fic gene involved in regulation of cell division." Res.Microbiology. 142. 269-277 (1991)
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[Publications] K.Matsuda,K.Yamada,M.Kimura and M.Hamada: "Nematicidal activity of matrine and its derivatives against pine wood nematodes." J.Agric.Food Chem.39. 181-191 (1991)
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[Publications] H.Toyoda,Y.Matsuda,S.Ikeda,M.Morita,T.Tamai and S.Ouchi: "Suppression of the powdery mildew pathogen by chitinase microinjected into barley coleoptile cells." Plant Cell Reports. 10. 217-220 (1991)
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[Publications] S.S.Patil,S.Ouchi,D.Mills and C.Vance: "Molecular Strategies of Pathogens and Host Plants" SpringerーVerlag,New York, 268 (1991)