1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01440018
|
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
安田 健次郎 慶應義塾大学, 医学部, 教授 (90050327)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塩沢 昌英 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50170840)
山下 修二 慶應義塾看護短期大学, 教授 (90050666)
|
Keywords | 癌胎児性蛋白 / αGTP / ノザンハイブリダイゼ-ション / mRNA / in situ hybridization |
Research Abstract |
癌胎児性蛋白は癌及び胎児期に特異的に発現する蛋白であり、αGTP、AFPらが知られているが、その役割に関しては未知の部分が多い。我々はαGTPを例にとり、胎主期の存在様式、即ち分布と、成体での再発現時の分布をmRNAレベル及び蛋白レベルで比較検討することにより、癌胎児性蛋白の産生の過程および再発現の原因を解明せんとするのが本研究の目的である。 昨年度までに胎児期におけるαGTPの発現過程をmRNAレベルに関してはノザン・ハイブリダイゼ-ションを用いて、また、蛋白レベルに関してはヒトαGTPに対するモノクロ-ナル抗体を用いた免疫組織化学的手法により明らかにした。また、ヒトαGTPcDNAのBamH1ーPstIフラグメントをSP6プロモ-タ-を有するベッタ-に組み込み、antiーsenseRNAプロ-ブを作成し.ラット腎に対して、ノザン・ハイブリダイゼ-ション及びin situ Hybridizationを行い、高感度にαGTP由来のmRNAを検出することができた。 本年度はSP6プロモ-タ-を有するPGEMαGTPを用いて、アイソト-プラベル及びbiotinラベルでanti senseRNAプロ-ブを作成し、ヒト胎児肝及び成人肝に対してin situ Hybridizationを行った。アイソト-プラベルでは肝細胞の細胞質に成人肝では弱いながらもαGTP由来のmRNAのシグナルを検出し、胎児肝では強いシグナルを検出できた。しかし、biotinラベルではシグナルは検出できなかった。また,ヒトαGTPcDNAを培養細胞に対して遺伝子導入を行い、ヒトαGTPを発現する細胞株を作成し、mRNAレベル及び蛋白レベルでαGTPの一過性発現を検出できた。 現在、αGTPの安定形質発現細胞株を作成して、αGTPの機能解明を試みている最中である。
|
-
[Publications] Yoshiki Hiraoka,Masahide Shiozawa,kenjiro Yasudaら: "A Placentaーspecific 5'nonーCoding exon of human prolactin" Mol.Cell Endocrinol.75. 71-80 (1991)
-
[Publications] 山下 修二: "ステロイドホルモン受容体" 慶應医学. 68. 721-728 (1991)
-
[Publications] 高島 純哉,安田 健次郎ら.: "大腸癌細胞における細胞接着現象" 消化器と免疫. 25. 261-264 (1991)
-
[Publications] Masahide Shiozawa,Kenjiro Yasuda,Shuji Yamashita and Sadakazu Aiso: "Distribution of gammaーglutamyl transpeptidase in human salivary glands:Immunohistochemical study using a monclonal antibody." J.Histochem.Cytochem.