1990 Fiscal Year Annual Research Report
血管内皮由来の血管収縮ペプチド、エンドセリンの薬理学的生物学的研究
Project/Area Number |
01440022
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
眞崎 知生 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (60009991)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳沢 正史 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (20202369)
後藤 勝年 筑波大学, 基礎医学系, 教授 (30012660)
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Keywords | エンドセリン / エンドセリン受容体 / カルシュウムチャンネル / ホスホリパ-ゼのリン酸化 / 平滑筋収縮機構 |
Research Abstract |
強力な血管収縮ペプチドエンドセリンの薬理学的、分子生物学的基礎研究を推し進めるため、いくつかの研究計画を推進しているが、本年度の大きな成果として以下の2つのことがあげられる。 1)ブタ冠動脈から単離した平滑筋を用いた場合、エンドセリン1によってホスホリパ-ゼCとカルシュウムチャンネルの活性化がおこる。前者の活性化の過程では百日咳毒性に感受性のないGタンパク質が関与する。ニフェジピンを作用させるとエンドセリン1による血管収縮の用量反応曲線は右方に移動する。これを百日咳毒素であらかじめ処理しておくとやはりエンドセリンの用量反応曲線は右方に移動する。またエンドセリンによる放射性カルシュウムの取り込みも減少する。冠動脈を百日咳毒素処理することによって41,000ダルトンの膜タンパクがADPリボシル化される。これらの事実は、この過程は百日咳毒素に感受性のあるGタンパクを介していることを示している。 2)ラット肺のcDNAライブラリ-から、エンドセリンの受容体のcDNAをクロ-ン化した。この受容体は415残基のアミノ酸からなっていると考えられ7回形質膜を貫通するとみられるGタンパク質結合性のロドプシン型の受容体である。発現ベクタ-中にこのcDNAを挿入してCOSー7あるいはCOPー5細胞中に発現させ、3種のエンドセリンアイソペプチドの結合性、あるいは細胞内遊離カルシュウムを調べてみると、この受容体は3種のアイソペプチドに対して同程度に親和性を持ち、エンドセリン1あるいは3、いずれでも同様に一過性の細胞内遊離カルシュウム濃度上昇をもたらし、またホスホイノシト-ルを産生するタイプの受容体であり、平滑筋膜上のエンドセリン受容体とは異なると考えられる。事実ノ-ザンブロット法によっても平滑筋では発現されていないことが確かめられた。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] T.Sakurai,M.Yanagisawa,Y.Takuwa,H.Miyazaki,S.Kimura,K.Goto,T.Masaki: "cDNA cloning of nonーisopeptide selective subtype of endothelin receptor." Nature. 648. 732-735 (1990)
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[Publications] Y.Tomobe,T.Ishikawa,M.Yanagisawa,S.Kimura: "Mechanism of alfered sensitivity to endothelinー1 aortic smooth muscles of spontaneously hypertensive and WistarーKyoto rats." J.Pharmacol.Exp.Ther.
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[Publications] T.Sawamura,O.Shinmi,N.Kishi,Y.Sugita,M.Yanagisawa,K.Goto,T.Masaki,S.Kimura: "Analysis of big endothelinー1 digestion by cathepsin D." Biochem.Biophys.Res.Commun.172. 883-889 (1990)
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[Publications] T.Masaki,M.Yanagisawa,K.Goto,S.Kimura: "Role of endothelin in mechanisms of local pressure control." J.Hypertension. 8(suppl.7). S108-S112 (1990)
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[Publications] Y.Takuwa,T.Masaki,K.Yamashita: "The effects of the endothelin family peptides on cultured on cultured osteoblastic cells from rat calvariae." Biochem.Biophys.Res.Commun.170. 998-1005 (1990)
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[Publications] S.Usuki,T.Saitoh,T.Sawamura,N.Suzuki,S.Shigemitsu,M.Yanagisawa,K.Goto,H.Onda,M.Fujino,T.Masaki: "Increased maternal plasma concentration of endothelinー1 during labor pain or on delivery and the existence of a large amount of endothelinー1 in amnotic fluid." Gynecol.Endocrinol.4. 85-97 (1990)
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[Publications] T.Masaki: "Influence of Molecular Biology on Drug Discovery" W.Zuckschwerdt Verlag, 134 (1989)
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[Publications] T.Masaki,M.Yanagisawa,Y.Takuwa,Y.Kasuya,S.Kimura,K.Goto: "The Biology and Medicine of Signal Transduction" Raven Press, 750 (1990)