1989 Fiscal Year Annual Research Report
シクロオキシゲナ-ゼ・リポキシゲナ-ゼの生理的ならびに病理的動態の研究
Project/Area Number |
01440025
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
山本 尚三 徳島大学, 医学部, 教授 (50025607)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上田 夏生 徳島大学, 医学部, 講師 (20193807)
林 陽子 徳島大学, 医学部, 助手 (60035441)
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Keywords | リポキシゲナ-ゼ / シクロオキシゲナ-ゼ / 生理活性物質 / プロスタグランジン / ロイコトリエン / アラキドン酸 / cDNA / モノクロ-ン抗体 |
Research Abstract |
シクロオキシゲナ-ゼとリポキシゲナ-ゼは、アラキドン酸を基質とする酸素添加酵素で、そのペルオキシド生成物はさらに代謝されて、プロスタグランジン・トロンボキサン・ロイコトリエンなどの生理活性物質を生成する。これらの酵素を精製して、その性質と反応性を明らかにするという今までの酵素学的研究成果の上に、シクロオキシゲナ-ゼとリポキシゲナ-ゼの生理的ならびに病理的動態とその調節機構を、細胞レベルさらに分子レベルで追究し、病態の発生機構との関連で解明することを、本研究計画の目的として、以下のような結果を得た。 1)免疫組織化学的研究:ブタの各組織のどの細胞に酵素が存在するのかを調べた。12ーリポキシゲナ-ゼに対する抗体を使い、酵素抗体法で光顕および電顕での観察を行った結果、白血球では顆粒球と単球の細胞質に酵素が存在するが、リンパ球には探知されなかった。また、酵素免疫測定法の結果、白血球に次いで12ーリポキシゲナ-ゼ含量の高い消化管、肺、リンパ節、脾、胸腺などでは、実質細胞は染色されず、浸潤白血球が陽性であった。 2)酵素の動態の研究:骨芽細胞のプロスタグランジンE_2合成を、EGFやTGFーβのような成長因子やエピネフリン(cAMPを介して)が促進し、シクロオキシゲナ-ゼ活性を上昇させることを見出している。これがシクロオキシゲナ-ゼの活性化ではなく、酵素誘導であることを転写・翻訳の阻害剤を使った実験や、イムノブロッティングで確認した。 3)代謝物の測定:シクロオキシゲナ-ゼやリポキシゲナ-ゼの動態の検索の一環として、血液や尿に見出されるアラキドン酸代謝物を追跡することが必要である。特に代謝的半減期の長いものの測定が有意義である。トロンボキサンB_2の安定代謝物の11ーデヒドロートロンボキサンB_2に対するモノクロ-ン抗体を作り、放射免疫測定法の条件を設定した。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Sumitani,K.: "Fatty acid cyclooxygenase activity stimulated by transforming growth factor-beta in mouse osteoblastic cells(MC3T3-E1)" Arch.Biochem.Biophys.270. 588-595 (1989)
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[Publications] Yamamoto,S.: "Mammalian lipoxygenases:molecular and catalytic properties" Prostaglandins,Leukotrienes and Essential Fatty Acids. 35. 219-229 (1989)
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[Publications] Ban,M.: "A flavonoid inhibitor of 5-lipoxygenase inhibits leukotriene production following ischemia in gerbil brain" Stroke. 20. 248-252 (1989)
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[Publications] Riendeau,D.: "Sensitivity of immunoaffinity-purified porcine 5-lipoxygenase to inhibitors and activating lipid peroxides" Biochem.Pharmacol.38. 2313-2321 (1989)
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[Publications] Brash,A.R.: "Mechanistic studies of the dioxygenase and leukotriene synthase activities of the porcine leukocyte 12S-lipoxygenase" Arch.Biochem.Biophys.273. 414-422 (1989)
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[Publications] Maruyama,T.: "Immunohistochemical study of arachidonate 12-lipoxygenase in porcine tissues" J.Histochem.Cytochem.37. 1125-1131 (1989)
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[Publications] Yamamoto,S.: "New Trends Lipid Mediators Res.Leukotrienes and Prostanoids in Health and Disease" Karger, 34-41 (1989)
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[Publications] Yamamoto,S.: "Advances in Prostaglandin,Thromboxane,and Leukotriene Research" Raven Press, 444-449 (1989)