骨塩量測定による骨フッ素症および骨粗鬆症の集団検診への応用

1991 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 01440037
• Research Institution: Iwate Medical University
• Principal Investigator: 角田 文男 岩手医科大学, 医学部・衛生学公衆衛生学講座, 教授 (80048256)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 佐藤 徹 岩手医科大学, 医学部・衛生学公衆衛生学講座, 助手 (80137497) ; 板井 一好 岩手医科大学, 医学部・衛生学公衆衛生学講座, 助手 (10048572) ; 中屋 重直 岩手医科大学, 医学部・衛生学公衆衛生学講座, 講師 (70048552) ; 桜井 四郎 岩手医科大学, 医学部・衛生学公衆衛生学講座, 講師 (80048529) ; 立身 政信 岩手医科大学, 医学部・衛生学公衆衛生学講座, 助教授 (70137496)
• Keywords: 骨塩定量分析 / デュアルX線骨密度測定装置 / 骨粗鬆症 / 骨フッ素症 / 腰椎部骨塩量 / 骨粗鬆症スクリ-ニング / 骨塩量正常値

Research Abstract

平成3年度は導入した米国ノ-ランド社製デュアルX線骨密度測定装置XRー26を用いた骨密度測定の集団検診を実施し、その問題点や集検術式を検討した。当初、同測定装置を集団検診車に装備して各地を移動して集検する方式を検討する予定だったが、集検車を入手できなかったため、本年度は、本装置をトラックで輸送し現地に設置して地域住民の骨粗鬆症集団検診を実施する場合について検討した。骨密度の測定は部位として腰椎前後方向で1名につき10分余りの測定時間を要し、一日に約40名の検診はスム-ズに行ない得た。本法では、同時に富士メディカルシステム社製の比色/酵素アナライザ-富士ドライケム5500を用いて血清カルシウム値、血清無機リン値、アルカリ性フォスファタ-ゼ活性値等の血液検査を行ない、簡便な体力測定(立位体前屈・屈膝上体起し)とケット科学研究所製近赤外線皮脂厚測定装置フィットネスアナライザ-BFTー2000を用いた皮脂厚測定等を加え、保健婦による問診、医師による診察と結果の説明、これに基づいた保健婦・栄養士・体育指導員による指導まで一日の検診時間内に実施しえた。この方式による妥当性と実用性を検討するとともに、輸送等に伴う問題点の検討を行なったが、十分に実用可能と結論した。またこの集団検診結果より、骨粗鬆症のリスクファクタ-等に関して検討し、食事や運動との関係など、従来の診断法での結果として報告されているものとほぼ同様の傾向を認めた。骨フッ素症に関しては、北九州宝満川流域に点在する高フッ素水飲用地域住民を対象に、久留米大学付属病院中央放射線部の協力を得て、同部のDPX装置を使用し、フッ素暴露者の骨密度測定を行なった。測定値は厚生省シルバ-サイエンスプロジェクト骨粗鬆症班の報告にある各機種間のクロスキャリブレ-ションによる換算式に従って換算した。高フッ素水飲用と骨密度増加の関連をある程度見出し得た。

Research Products

• [Publications] 角田 文男: "骨塩量測定による骨粗鬆症の集団検診法" INNERVISION. 6. 9-10 (1991)
• [Publications] 角田 文男: "骨塩量測定による骨粗鬆症の集団検診への応用" 病態生理. 10. 649-651 (1991)
• [Publications] 小野田 敏行: "骨粗鬆症の集団検診に関する研究(第3報)生体の長期追跡時における誤差の検討" 東北公衆衛生学会誌. 40. 34 (1991)
• [Publications] 小野田 敏行: "DEXA法による骨粗鬆症集団健康診断について(第2報)生体の長期追跡時における誤差の検討" 日本公衆衛生学雑誌. 38. 464 (1991)
• [Publications] 立身 政信: "DEXA法による骨粗鬆症集団健康診断について" 岩手公衆衛生学会誌. 3. 26 (1992)