1989 Fiscal Year Annual Research Report
Adrenoleukodystrophyの分子遺伝学的研究
Project/Area Number |
01440042
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
宮武 正 新潟大学, 脳研究所, 教授 (50048998)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 司 新潟大学, 脳研究所, 助手 (50213814)
辻 省次 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (70150612)
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Keywords | 副腎白質ジストロフィ- / X染色体 / 連鎖解析 / リバ-ス・ジェネティックス / メッセンジャ-RNA / cDNAライブラリ- / パルスフィ-ルド電気泳動 / DNAマ-カ- |
Research Abstract |
副腎白質ジストロフィ-(Adrenoleukodystrophy、以下ALDと省略)の原因となっている遺伝子を同定することを目標として、本年度においてはまず、ALD患者およびその家族について末梢血リンパ球をEBウイルスにより株化する方法を樹立し、現在順調に細胞バンクが樹立されつつある。ALDの遺伝子を発見するための戦略として、DNAマ-カ-を用いた連鎖解析によりALDの遺伝子座を絞りこんでいく、パルスフィ-ルド電気泳動を含めて最近確立されつつある巨大DNAテクノロジ-を用いてALD遺伝子座のマッピングを行う、さらにX染色体あるいはその一部からメッセンジャ-RNAをコ-ドしている部分を選択的にクロ-ン化するという3つを柱として研究を進めている。第1の連鎖解析については、ALDが連鎖しているとされるXq28のマ-カ-のひとつであるSt14を用いて、我々が生化学的診断を行ってきたALDの家系について連鎖解析を行い、lod得点が3を越えることを見出してALD遺伝子がSt14と密接に連鎖していることを証明した。さらにもうひとつのXq28の遺伝子である色覚タンパク遺伝子(以下CBDと省略)についてもサザ-ン解析を行ったが、欧米でいわれているようなALD患者におけるCBD遺伝子の異常は見出せず、ALDの遺伝子がCBDの近傍にあることを断定することができなかった。現在、パルスフィ-ルド電気泳動の条件設定を終了し、すでに樹立したALD細胞株を用いて、Xq28のマ-カ-を起点としてXq28のマッピングを行っている。さらに、ヒト剖検脳から良質のcDNAライブラリ-を作成することに成功し、このライブラリ-を用いてX染色体によってコ-ドされるcDNAを選択的にクロ-ン化する新戦略についてもすでに基礎的検討を終了し、そのが十分に可能であるとの結論を得ている。
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Research Products
(1 results)