1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01440045
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山田 健嗣 東北大学, 抗酸菌病研究所, 助教授 (40134051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 正敏 東北大学サイクロトロンRIセンター, 助教授 (00125501)
松澤 大樹 東北大学, 名誉教授 (10006108)
石井 慶造 東北大学サイクロトロンRIセンター, 助教授 (00134065)
渡辺 建彦 東北大学, 医学部, 教授 (70028356)
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Keywords | 脳萎縮 / 脳血流量 / 脳局所糖代謝 / アルツハイマ-型痴呆 / 多発梗塞性痴呆 / ポジトロン断層装置 / 海馬 / 扁桃核 |
Research Abstract |
1.PETによるアルツハイマ-型痴呆と多発梗塞性痴呆における脳局所糖代謝の特徴 老年期の痴呆は種々の原因により発症するが、頻度の高いものとしてアルツハイマ-型痴呆と多発梗塞性痴呆がある。 これらの痴呆は原因が異なると言われているものの、痴呆という共通の臨床症状を呈することを考慮すると共通の脳の機能異常と考えられる。これらの共通の脳の機能異常をPETにより脳の糖代謝という観点から研究すると、痴呆脳では連合野の対称的な糖代謝低下が認められることが明かとなった。 2.PETによる側脳室下角拡大と脳局所糖代謝の相関 正常の加齢でも脳室周囲高信号域(PVH)が増加し、PVHの高度な場合は、全脳レベルでの血流低下を認める。また、多発梗塞性痴呆の側脳室下角拡大はその内側壁を構成する海馬、扁桃核の萎縮を間接的に反映するものであり、同部が虚血に弱いことを考慮すると海馬、扁桃核が痴呆という症状と密接に関連があることが示唆される。 そこで側脳室下角の拡大と脳局所糖代謝の関係に焦点を絞って研究を進め、側脳室下角の拡大がアルツハイマ-型痴呆、多発梗塞性痴呆にかかわらず、脳局所糖代謝と強い相関が認められ痴呆研究の焦点の一つとして大脳辺縁系に着目しなければならないという重大な結論を得るにいたった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 松澤 大樹: "痴呆と“こころ"" 東北医学雑誌. 103. 143-147 (1990)
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[Publications] 菱沼 隆,松澤 大樹,山田 健嗣ほか: "MRIによる脳脊髄液T_2緩和時間測定ー加齢性変化との対比ー" 日本磁気共鳴医学会雑誌. 10(2). 106-113 (1990)