1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01440068
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
十字 猛夫 東京大学, 医学部(病)・輸血部, 教授 (20009997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川名 尚 東京大学, 医学部(分), 教授 (90010272)
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Keywords | 習慣性流産 / 免疫療法 / CD4T細胞 / CD8T細胞 / 抗イディオタイプ抗体 / NK細胞 |
Research Abstract |
習慣性流産に対する免疫療法では、夫の末梢血単核球を妻の皮内に免疫することにより、夫アロ抗原に対する妻のT細胞による同種免疫の抑制が起こってくるわけである。今年度はその機構についてさらに検討を加えた。他人由来の末梢血単核球が侵入することにより、どのような機構で免疫抑制が誘導されるかについて検討を行った。まずアロHLAーDRに特異的に増殖反応を示すCD4陽性T細胞クロ-ンを樹立した。このT細胞クロ-ン、TMー14を刺激細胞として、TMー14ドナ-と同一人あるいは他人由来末梢血リンパ球を繰り返し刺激することにより、TMー14に対して反応するT細胞株を得た。AIー1T細胞株はTMー14ドナ-と他人由来のCD8陽性T細胞株であり、AIー2はTMー14ドナ-と同一人由来でCD4T細胞株である。AIー1、AIー2いずれもTMー14のアロ抗原に対する増殖反応を特異的に抑制する。AIー1はTMー14に対して特異的細胞障害活性を有しており、この細胞障害活性は標的細胞であるTMー14を抗HLAクラスI抗体処理するより阻止されることにより、TMー14特異的エピト-プをHLAクラスIの拘束下で認識障害すると考えれる。AIー2はAIー1と異なって、細胞障害活性無しにTMー14の増殖反応を阻止する。従って第一の機構として、T細胞間のネットワ-クによる免疫抑制機構が考えられる。また、頻回免疫された患者の血液中にアロ抗原反応性T細胞に反応してその増殖反応を抑制する抗体が検出される例を証明した。従って抗T細胞イデイオタイプ抗体の産生による免疫抑制が第二の機構として考えられる。さらに免疫療法開始前に比べ、開始後では妻末梢血NK活性が低下していることが示された。しかしNK細胞が習慣性流産にどのように関わっているかの詳細は不明である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.Watanabe,M.Yoshimura,M.Suzuki,K.Omoto,T.Juji and K.Tokunaga: "DNA typing for HLAーDR using polymerase chain reaction:application to frozen blood." J.Anthrop.Soc.Nippon. 98. 149-155 (1990)
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[Publications] A.Kariyone,M.Tanabe,T.Juji,K.Kano and M.Takiguchi: "Functional expression of HLAーC blank antigens on human blood lymphocytes" The Journal of Immunology. 145. 3714-3718 (1990)
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[Publications] M.Nieda,T.Juji,S.Imao,M.Takamizawa,M.Minami: "Characterization of effector suppressor T cells in human mixed lymphocyte reaction"
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[Publications] M.Nieda,T.Juji,S.Imao,M.Minami: "Specific killing of human CD4 T cell clones by CD8 cytotoxic T cell line"