1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01440070
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
草刈 潤 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (00004705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 典秀 筑波大学, 附属病院, 医員
高橋 邦明 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (70197135)
武山 実 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (60179679)
阿瀬 雄治 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (00013920)
原 晃 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (10156474)
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Keywords | 蝸牛電位 / 内リンパ電位 / 強大音 / 低体温 / 内耳循環障害 / 内リンパ水腫 / カルモデュリン / 内耳液 |
Research Abstract |
平成2年度には下記の研究を行い、次の如き結果を得た。 1.内耳循環障害動物:低体温下に内耳動脈を圧迫することにより血流を遮断すると血流回復後の内リンパ電位の回復は常温の場合に比べて良好であることが判明した。更にフェニトイン、マンニト-ルの投与も有効であることが判明した。 2.内リンパ水腫動物(メニエ-ル病のモデル動物):内リンパ電位が1ヶ月位まで早や急激に低下しその後は緩やかに低下することが判明した。内リンパ水腫動物の血管条は術後進行性に障害されているものと思われる。 3.強大音を負荷すると負荷量が大きい程高音がより障害されることが判明した。内リンパ水腫動物ではこの傾向はより著名となった。 4.フロセミドで内リンパ電位を低下させた時期に強大音を負荷すると正常動物より受傷性が少ない傾向にあった。蝸牛のエネルギ-消費が低下したためと考えられた。 5.ペニシリンGなどの無機陰イオンは血中から内耳への移行に際し鼓室階と前庭階では様式が異なることが判明した。 6.コルチ器のカルモデュリンを測定し特に外有毛細胞に高濃度に存在することを証明した。外有毛細胞の運動と密接に関係しているものと考える。 7.正常動物内耳液の各種アミノ酸を定量した。今後強大音負荷時の変化を調べる予定である。
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[Publications] 高橋 邦明,原 晃,草刈 潤,I.Thalmann,R.Thalmann: "コルチ器におけるCalmodulinの定量的分布" Ear Research Japan. 21. 279-280 (1990)
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[Publications] 西川 典秀,阿瀬 雄治,待木 健司,高橋 邦明,草刈 潤: "誘発耳音響放射測定用のプロ-ブの音響性について" Audiology Japan. 33. 105-109 (1990)
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[Publications] 伊東 善哉,西川 典秀,武山 実,草刈 潤,中田 穂出実: "内リンパ水腫蝸牛に対するフロセミドの効果について" Equilibrium Research. Suppl.6. 61-66 (1990)
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[Publications] 西川 典秀,武山 実,阿瀬 雄治,伊東 善哉,古橋 靖夫,草刈 潤,中田 穂出美: "強大音負荷後のAP域値上昇の検討" 耳鼻咽喉科展望. 33. 381-390 (1990)
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[Publications] 草刈 潤,原 晃,森田 康久: "蛍光法を用いた蝸牛微小循環の観察" Ear Research Japan. 21. 295-296 (1990)
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[Publications] 待木 健司,高橋 邦明,原 晃,草刈 潤: "フロセミド静注後の蝸牛内リンパ中の濃度変化" Ear Research Japan. 21. 321-322 (1990)
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[Publications] Jun Kusakari,et al(ed,M.Kitahara): "Meniere's Disease" SpringerーVerlag, 45-56 (1990)