1992 Fiscal Year Annual Research Report
組織障害性フリーラジカルに対する生体内因子とその作用機構
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01440084
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
井村 伸正 北里大学, 薬学部, 教授 (70012606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 聡子 北里大学, 薬学部, 助手 (40188313)
姫野 誠一郎 北里大学, 薬学部, 助手 (20181117)
豊田 春香 北里大学, 薬学部, 助手 (10197973)
瀬子 義幸 北里大学, 薬学部, 講師 (60133360)
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Keywords | スーパーオキシドジスムターゼ / グルタチオンペルオキシダーゼ / カタラーゼ / 活性酸素 / フリーラジカル除去因子 / 特定遺伝子増幅細胞 |
Research Abstract |
(1)平成3年度にgene fransfectionの手法により樹立した高グルタチオンペルオキシダーゼ(GSH-Px)活性を示す細胞株を用いて、それらの毒物に対する感受性について検討した。過酸化水素に対し、24時間継続処理後の細胞死を指標とした場合にはほとんど耐性は認められなかったが、細胞増殖を指標とした時、GSH-Px活性の上昇にともない感受性の低下が観察された。さらにこれら細胞株は、有機過酸化物であるクメンヒドロペルオキシド、及びt-ブチルペルオキシドに対しても親株に比べ有意な耐性を示した。過酸化水素に対する感受性について既に作製した高カタラーゼ(CL)活性を示す細胞株と比較したところ、その程度に相違が認められた。このこと生体内での両酵素の活性酸素防御における役割の違いを予想させるものであると考えられる。(2)高いCL活性を有する細胞では、通常の細胞とは異なり、アミノトリアゾール処理後も細胞質画分と顆粒画分に十分なCL活性を有するため、各種培養条件下での細胞内過酸化水素生成をアミノトリアゾールを用いた方法により検出する細胞として有用であることが明かとなった。また、この細胞にSOD遺伝子を導入して得られたCLとスーパーオキシドジスムターゼ(SOD)の活性が共に高い細胞における、パラコート暴露時の細胞内過酸化水素生成量を測定したが、SOD活性の増加による過酸化水素生成量の増加は認められなかった。(3)MT遺伝子を導入したトランスジニックマウスの作製を試みているが、今のところMTの発現量の高いマウスは得られておらず、作製を継続中である。
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Research Products
(1 results)