1989 Fiscal Year Annual Research Report
動物個体内の組織細胞への遺伝子注入法の開発とそれに基づく疾病治療の基礎的研究
Project/Area Number |
01440087
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中西 真人 大阪大学, 細胞工学センター, 助手 (10172355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三浦 直行 大阪大学, 細胞工学センター, 助手 (40165965)
米田 悦啓 大阪大学, 細胞工学センター, 助手 (80191667)
河野 憲二 大阪大学, 細胞工学センター, 助教授 (50142005)
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Keywords | 遺伝子導入 / HVJ(センダイ・ウイルス) / リポソ-ム / RNAベクタ- / 膜融合 / 遺伝子発現 / 肝炎ウイルス / 動物組織 |
Research Abstract |
初年度はHVJを利用したDNA導入法の改良とHVJゲノムをベクタ-として利用するためのウイルス遺伝子発現機構の解明において新しい成果が得られた。まず遺伝子を動物組織に導入するための手段としてHVJーリポソ-ム複合体を用い、ヒトB型肝炎ウイルスのS抗原遺伝子等を培養細胞やラット肝細胞に導入してその発現を観察した。その結果、1ml中に細胞に遺伝子を導入し発現させることができる粒子を、10^6個以上含むリポソ-ム懸濁液を調製することに成功した。この懸濁液をラット肝臓に直接導入してやると一過性に(2ー3日間)血清中にヒト肝炎ウイルスのS抗原が発現した。これらのことからHVJーリポソ-ム複合体は遺伝子導入に十分な膜融合の活性を持っていること、さらに現在遺伝子治療のために最も有効ではないかと考えられているレトロウイルス・ベクタ-と比較して、一過性の遺伝子導入効率ではより優れていること、肝臓への遺伝子導入にも使えるなど多くの長所を持っていることが確認できた。次にウイルスのゲノム自体に外来の遺伝子を組み込んで安定に発現させる工夫を開始した。まずHVJゲノムと5'末端と3'末端が相同でかつその間に大腸菌ベ-タ・ガラクトシダ-ゼ遺伝子をネガティブ方向(mRNAと逆方向)に組み込んだRNAを試験管内で合成した。このRNAをHVJが持続感染をしている細胞に導入するとベ-タ・ガラクトシダ-ゼが発現しているのが観察された。これは導入したRNAを鋳型としてHVJ持続感染下でガラクトシダ-ゼmRNAの転写が起きたことを示している。このことからHVJの遺伝子発現機構を使って外来遺伝子を発現させるためにはウイルスゲノムRNAの5'末端と3'末端が必要であることがわかった。さらにこのRNAにトランスに働いて転写・複製を引き起こすウイルス側の因子の解析を始めている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Omura,F.,Kohno,K.and Uchida,T.: "The Histidine Residue of Codon 715 is Essential for Function of Elogation Factor 2 gene" Eur.J.Biochem.180. 1-8 (1989)
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[Publications] Normington,K.,Kohno,K.,Kozutsumi,Y.,Gething,M.J.,and Sambrook,J: "S.cereviseae Encodes an Essential Protein Homologous in Sequence and Function to Mammalian Bip" Cell. 57. 1223-1236 (1989)
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[Publications] Toda,K.,Tasaka,M.,Mashima,K.,Kohno,K.,Uchida,T.and Takeuchi,I.: "Structure and Expression of Elongation Factor 2 Gene during Developement of Dictyosterium discoideum" J.Biol.Chem.264. 15489-15493 (1989)
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[Publications] Miwatani,H.,Yoneda,Y.,Maki,H.,Kaneda,Y.and Uchida,T.: "Secretion of Mr 46,000 Protein from Human Hepatoma Cells Treated with Tumor Promotors is Regulated by c-myc Gene Expression" Cell Structure and Function. 14. 183-192 (1989)
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[Publications] 寺田弘、吉村哲郎、中西真人他(共著): "ライフサイエンスにおけるリポソ-ム一実験マニュアル" シュプリンガ-・フェラ-ク東京, 700 (1990)
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[Publications] 銭場俊彦、中西真人他(共著): "2000年をタ-ゲットとする「技術予測シリ-ズ」第7巻" 日本ビジネスレポ-ト, 400 (1990)