1991 Fiscal Year Annual Research Report
動物個体内の細識細胞への遺伝子注入法の開発とそれに基づく疾病治療の基礎的研究
Project/Area Number |
01440087
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中西 真人 大阪大学, 細胞工学センター, 助手 (10172355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金田 安史 大阪大学, 細胞工学センター, 助手 (10177537)
米田 悦啓 大阪大学, 細胞工学センター, 助教授 (80191667)
河野 憲二 大阪大学, 細胞工学センター, 助教授 (50142005)
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Keywords | 遺伝子導入 / ウィルスベクタ- / 人工染色体 |
Research Abstract |
今年度はまず、センダイウイルスの3'および5'末端の間に大腸菌ハイグロマイシン耐性遺伝子を接続してさらにそれをT7ファ-ジのRNAポリメラ-ゼプロモ-タ-の下流につないだ組み換えDNAを作成した。これを鋳型としてウイルスのネガティブ鎖にあたる向きのRNAを試験管の中で合成してセンダイウイルス持続感染細胞に導入したがハイグロマイシン耐性細胞は得られなかった。そこで、T7RNAポリメラ-ゼ自体を細胞内で大量にかつ安定に作っている細胞を作り、さらにそこにセンダイウイルスを持続感染させたうえで前途の鋳型DNAを導入して組み換えウイルスができるかどうかを検討している。またセンダイウイルス持続感染の機構を検討し、ウイルス礎裏側にあるMタンパク質の点突然変異によって持続感染が成立する例があることを確かめた。この時ウイルスの遺伝子発現にはなんの変化もなく、Mタンパク質を欠損させてやるだけで細胞からウイルス粒子ができるのを防ぐことができるという重要な知見が得られた。 次に、ヒト人工染色体開発の基礎となるクロ-ニングのための組み換え遺伝子を作成した。このベクタ-として、ハイグロマイシン耐制遺伝子ー酵母TRP1・ARS・CENーヒト・テロメアの構造を持つpMYAC1と、ブラストサイディンS耐性遺伝子ー酵母URA3ーヒト・テロメアの構造を持つpMYAC2を完成した。ヒト・テロメアは人工合成した。次に直線状にしたこの2つのDNAを、ヒト・ゲノムDNAをEcoRIで部分加水分解した後さらに精製して得た約500KbのDNA断片に結合し、マウスL細胞に導入した。これをハイグロマイシン・ブラストサイディンの二重選択条件下で培養し、10億個のL細胞から得られた約160個のクロ-ンを人工染色体を含む候補として現在そのDNAを解析中である。
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[Publications] Kato,K.,Nakanishi,M.,Kaneda,Y.,Uchida.T.and Okada,Y.: "Expression of Hepatitis B Virus Surface Antigen in Adult Rat Liver" The Jounal of Biological Chemistry. 266. 3361-3364 (1991)
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[Publications] Kato,K.,Kaneda,Y.,Sakurai,M.,Nakanishi,M.and Okada,Y.: "Direct Injection of Hepatitis B Virus DNA into Liver Induced Hepatitis in Adult Rats" The Jounal of Biological Chemistry. 266. 22071-22074 (1991)
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[Publications] Kido,M.,Yoneda,Y.,Nakanishi,M.,Uchida,T.and Okada,Y.: "Escherichia coli Reca Protein Modified with a Nuclear Location Signal Binds to Chromosomes in Living Mammalian Cells" Experimental Cell Research. 198. 107-114 (1992)
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[Publications] 中西 真人、他(共著): "分子細胞遺伝学実験法" 共立出版株式会社, 2360 (1991)