1989 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子組み換えによって得た融合蛋白質の構造とその熱安定性機構の研究
Project/Area Number |
01440090
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 信夫 東京工業大学, 理学部, 教授 (50032024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹中 章郎 東京工業大学, 理学部, 助手 (80016146)
大島 泰郎 東京工業大学, 理学部, 教授 (60167301)
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Keywords | 融合蛋白質 / 熱安定性 / X線結晶解析 / 遺伝子組み換え |
Research Abstract |
改変蛋白質の構造研究として本研究においてN末端側の1/3が常温菌Bacillus subtilis由来、C末端側の2/3が高度好熱菌Bacillus thermophilus HB8である融合遺伝子から3ーイソプロピルリンゴ酸脱水素酵素(キメラIPMDH)を作製し、その結晶構造解析を進めている。酵素の精製は、遺伝子を組み込んだ大腸菌を培養し、超音波処理によって破砕し60℃で熱処理を行った後に、DEAEーSephacel、ButylーToyopearl、DEAEーToyopearlのカラムを通し、HPLCあるいは塩分画法によって行った。得らたた試料は比活性において熱処理後の15倍に達し結晶化に十分な純度であった。結晶化は蛋白質濃度10mg/ml、20mMリン酸緩衝液(0.5M硫酸アンモニウム、pH=7.6)のdropletを1.6M硫酸アンモニウム(pH=7.6)のreservoirにたいして蒸気拡散法によって平衡化することによって行った。得られた結晶は板状の小さいものであった。プレセッション写真および放射光による振動写真から、結晶は単斜晶系に属し、空間群P2_1、a=81.5(〕.SY.Angstrom.〔)、b=83.4Å、c=62.7Å、β=109°と決定できた。しかし、この結晶では高分解能の回折点が得られなかったのでより良好な結晶を得るための条件検索を更に行った。その結果、reservoirのpHを酸性側(pH=6.0)にすることによって六角両錐形の結晶を得ることに成功した。この結晶は長さが0.3mmから大きいもので1.5mmにも達しX線結晶解析には十分な大きさをもっていた。プレセッション写真からこの結晶は三斜晶系に属し、空間群P3_121またはP3_221、a=b=77.4Å、c=159.0Å、γ=120°であった。この結晶学的デ-タはThermus thermo philus HB8由来のIPMDHとほぼ同じで、同型と考えられる。今後、4軸型回折計によってX線回折デ-タを測定し、上記の元の分子と構造比較を行いながら解析を進めて行く予定である。
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[Publications] Y.Katsube: "Crystallization and Preliminary Xーray Data for 3ーIsopropylmalate Delydrogenase from Thermus thermophilus" J.Biochem.104. 679-680 (1988)
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[Publications] T.Hata: "The 2.0Å Crystal Structure of Cyanide Metmyoglobin Reconstituted with Mesoーtetra(nーpropyl)hemin and ForceーField Energy Calculation" Bull.Chem.Soc.Japan.