1991 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子組み換えによって得た融合蛋白質の構造とその熱安定性機構の研究
Project/Area Number |
01440090
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
田中 信夫 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (50032024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 英明 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (50200457)
大島 泰郎 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (60167301)
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Keywords | キメラ酵素 / 立体構造 / 耐熱性酵素 |
Research Abstract |
3ーイソプロピルリンゴ酸脱水素酵素について、T.thermophilus由来の部分とB.subtilis由来部分の割合を変化させた種々の酵素を作製し、その熱的特性を測定した。その結果.酵素の耐熱性は必ずしも好熱菌由来の部分(T)の大きさに比例しないことが分った。X線回折法による構造研究は4M6T(N末の40%が常温菌)と2T2M6T(4M6TのM部分をTに置換)について行った。両者とも10Tと同形で.回折デ-タの測定はイメ-ジングプレ-トを検出器とした振動写真測定装置で行った。構造決定は10Tのモデルを出発モデルとし.剛体近似の精密化及び東縛条件精密化により行い.いづれもR値を20%に収斂させることができた。得られたキメラ酵素の構造は10Tの構造によく似ており二量体を形成していた。構造解析では構造の変位しやさを表すパラメ-タとして温度因子を求めることができるが.温度因子とキメラの10Tからの変位には大きな相関が見られた。しかし.両者の間に相関がない所が110番目など数ヶ所で見られた。4M6Tと2T2M6Tを比較した場合.後者に相関のない所が多く観測されたがこのことは後者の低い耐熱性と関連しているものと思われる。このことは構造の柔い部分の変位は耐熱性に影響しないが.固い部分の変化は耐熱性を劣化させることを意味している。蛋白質の耐熱性機構の研究のため.更に好酸高度好熱菌S.acidocaldariusの産するフェレドキシンの構造研究も行った。本研究では高エネルギ-研究所の放射光を利用した多波長異常分散法の適用を試みた。このためMADー1.MADー2.MADー3 等のプログラムを作成した。その結果.波長の送択,結晶の大きさ.測定デ-タの処理などに検討すべき問題点を見出した。尚.本結晶については重原子同形置換結晶の調製も試みている。
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[Publications] K.Onodera: "Crystallization and Preliminary Xーray Studies of a Bacillus subtilis and Thermus thermophilus HBB Chineric 3ーIsopropylmalate Dehydrogenase" J.Biochem.109. 1-2 (1991)
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[Publications] K.Imada: "Threeーdimensional Structure of a Highly Thermostable Enzymes,3ーIsopropylmalate Dehydrogenase of Thermus thermophilus at 2.2 Å Resolution" J.Mol.Biol.222. 725-738 (1991)