1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01450011
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
今井 四郎 北海道大学, 文学部, 教授 (70000586)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中谷 和夫 東京大学, 文学部, 教授 (00026816)
須藤 昇 北海道大学, 文学部, 助手 (40154611)
斎藤 尭幸 北海道大学, 文学部, 助教授 (70113561)
相場 覚 北海道大学, 文学部, 教授 (40000559)
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Keywords | 幾何学的錯視 / 構造情報 / 潜在構造 / 微視的認知過程 / 反視学習 / 変換構造説 / パタ-ン認知 / 仮視運動 |
Research Abstract |
A.パタ-ン認知における構造情報処理の研究 1.パタ-ンの分類における構造情報処理 現在まで幾何学目錯視の理論的分類はほとんどなされていなかった。本研究により,変換構造説に基づいた幾何学的錯視の定義および分類がなされた。その結果,幾何学的錯視とパタ-ン認知およびその認知過程について,新たな展望が開かれた。2.複合的錯視現象における動的構造情報処理 複合的幾何学的錯視を研究対象として,錯視を引き起こすのに要する認知時間を測定した。パイロット実験が終り,本実験に入る。この種の研究により,一般的にパタ-ン認知に要する時間が推定されると考えられる。 B.学習における構造情報処理の研究 1.学習における構造情報処理の研究 9桁のランダム数字列の反復学習における反復数字列の重複度およびSpacingの効果を実験的に測定した。その結果,重復度がある程度以下では反復効果が現れないこと,Spacing効果は再生方法によること,等,興味深いことが発見された。2.構造を有する刺激セットの学習 記憶表象生成モデルを改訂し,反復学習効果をも説明することのできる理論が構築された。また,それを支持する実験的事実も収集されている。3.学習・記憶における微視的認知過程の研究 現在までに我々が得てきた実験的事実は,これまでの学習理論では説明できないことが明らかである。従って,新たに,微視的認知過程を考慮に入れたモデルを立てる必要がある。現在,モデル構成を検討しているが,顕在的な進歩は見られない。 以上により,構造情報が分析的・統合的に処理されることが具体的実験事実に即して明らかにされた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 天野 要・今井 四郎: "パタ-ンの変換構造と良さの認知に関する群論的研究" 心理学研究.
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[Publications] 須藤 昇: "構造性の高い刺激セットの記銘・再認におよぼす刺激の反復提示の効果。" 心理学研究.
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[Publications] 今井・須藤・細田: "変換可能概念による幾何学的錯視の定義と分類" 心理学評論. 33. 141-158 (1990)
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[Publications] 李 延福・今井 四郎: "Fraser図形による位相幾何学的錯視に基づく動的な複合的錯視" Reports from the Laboratory of Psychology,Hokkaido University. No.8. 1-28 (1990)