1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01450017
|
Research Institution | Gakushuin University |
Principal Investigator |
梅岡 義貴 学習院大学, 文学部, 教授 (40000517)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
楠見 孝 学習院大学, 文学部, 助手 (70195444)
藪内 稔 学習院大学, 文学部, 教授 (20032617)
斎賀 久敬 学習院大学, 文学部, 教授 (20080369)
|
Keywords | 情報処理 / 記憶 / 実働記憶 / 短期記憶 / 同時新近効果 |
Research Abstract |
本研究の目的は、(1)“同時新近効果"の成立条件の分析と、(2)記憶項目の再生に及ぼす干渉項目の効果の検討をあわせておこなうことを通して、継続される情報処理活動に関わる実働記憶の特性を明らかにすることである。 1.実験方法(1)材料:アルファベット20字とカナ20字を組み合わせて40個の記号を作成した(例;Gテ)。これら記号から2つのリストを作成した。このようにして作成した記号と、漢字2字から成る具体語をペアにして記銘用の材料とした。(2)手続き:2つの記号ー漢字ペアのリストの一方を大学生の被験者に記銘するように提示した。リストの提示回数に1回提示と3回提示の2条件を設けた。提示終了後、被験者に自由再生を行わせた。再生終了後、被験者に再認テストを行った。記銘時に提示されていないもう一方のペアのリストをディストラクタ項目とし、提示されたペアのリストと共に提示した。再認項目はコンピュ-タの画面上に1項目づつ提示し、それが記銘時に提示されたものかされなかったものかを反応させた。半数の被験者には記号だけの再認を行った後に漢字だけの再認、残り半数の被験者には漢字だけの再認後の記号だけの再認という順序で再認項目を提示した。再認項目の提示順序は被験者毎にランダムとした。 2.実験結果 本実験で新たに得られた知見は以下の通りである。(1)“同時新近効果"の成立において記憶材料の特性が重要性であることが示唆された。材料特性に関する今後の検討が必要であることが明らかになった。(2)“連続干渉パラダイム"において、継続的に提示される記憶項目と干渉項目の材料特性、及び提示時間が再生の重要な要因であることが示唆された。
|