1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01450019
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
渡辺 茂 慶応義塾大学, 文学部, 教授 (30051907)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 耕治 埼玉医科大学, 医学部, 助手
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Keywords | 個体弁別 / 同種弁別 / 概念 / 学習 / 脳捐傷 |
Research Abstract |
1ハトによる実験 本年度は行動課題としてハトとウズラの異種間弁別と,ハトの個体間弁別の2課題を選び,脳捐傷部位としてWulst,外線条体,新線条体,高線条体腹側部を検討した。その結果,異種間弁別はそれらの部位の捐傷によって障害を受けないのに対し,個体間弁別は外線条体捐傷によって、選択的に障害を受けることが分かった。研究代表者らはすでに自然概念弁別は外線条体捐傷後も維持されるが,人工概念は外線条体によって重度の障害を受ける事を報告しており,今回の結果は種弁別の脳内機構が自然概念弁別のそれに近い事を示唆するものである。又、従来刻印づけにおいて重要な役割を果たすとされていた高線条体腹内側部の破壊が種弁別に効果をもたらさなかった事も注目に値する。 2マウスによる実験 本年度はモルヒネを用いた条件性場所選好を個体弁別実験に応用し,極めて多くのデ-タを得た。その結果, 1)個体間弁別が可能であること 2)ある個体からその兄弟への般化はない事 3)個体ではなく,ある集団と別の集団の弁別が可能な事 4)弁別の手がかりには嗅覚以外の感覚も寄与しているが, 5)ケ-ジ床材のみによる嗅覚弁別が形成可能である事, が分かった。 現在は、これらの弁別の脳内機構を検討するべく,扁桃体,海鳥,および白質の捐信実験を継続中である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Watanabe,S X Mori.Y.: "Individual recognition learning in mice" Journal of Ethology. 8. 29-32 (1990)
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[Publications] Watanabe,S.& Ito,Y: "Individual discrimination in pigeons" Bird Behavior. (1991)
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[Publications] Watanabe,S.: "Neural mechanisms of conspecific discrimination in pigeons" Neuroscience Abstracts. 16. 605 (1990)
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[Publications] Borlongan,C.& Watanabe,S.: "Individual recognition in male C57 BL mice in the Yーmaze" 慶応義塾大学社会学研究科紀要. 31. 107-116 (1991)
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[Publications] Borlongan,C.& Watanabe,S.: "Individual discrimination in C57 BL mice using the conditioned place preference paradigm." Animal Learning and Behavior.