1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01450021
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
末永 俊郎 帝京大学, 文学部, 教授 (80011261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
和田 万紀 日本大学, 文理学部, 助手 (30210983)
古屋 喜美代 帝京大学, 文学部, 助手 (50219127)
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Keywords | 社会的認知 / 情報処理 / 対人知覚 / 対人記憶 / 表情認知 |
Research Abstract |
本研究は、自己知識の情報処理を研究の枠組として、社会的認知において重要なモジュ-ルと考えられる対人知覚、対人記憶、表情認知がそれぞれどの様に関連しているのかを実験的に検討し、社会的認知における新しい理論構築をめざすことを目的としている。平成元年度は、対人知覚実験、対人記憶実験、表情の相互作用に関する実験、自己情報の処理に関する実験が行われた。1.対人知覚実験では、身体的特徴が印象評定に与える効果が検討された。線画で描かれたタ-ゲットを、性別、身長、横幅を条件として変化させて印象を評定させた。その結果身長と横幅は確かに印象評定に重要な手がかりとなることが示された。さらに横幅は男性が女性のタ-ゲットを評定するときに、また身長は女性が男性のタ-ゲットを評定する際に重要な手がかりとなった。2.対人記憶実験では、対人認知における体制化のメカニズムと印象の残りやすさについて検討された。印象判断において、最初にタ-ゲットに関する明確な情報が呈示されると、後でその情報と矛盾する情報が呈示されても判断は影響を受けなかった。特にNegativeな情報を最初に呈示されると、後でPositiveな情報が与えられても印象評定は変化しなかった。3.表情の相互作用に関する基礎的実験では、表情認知における典型性の効果が検討された。呈示される顔面表情と表情カテゴリ一名との一致判断において、その一致率の高い刺激ほど、判断時間が短くなるという結果が得られた。表情認知に典型性効果が確認された。4.自己情報に関する実験では、自己情報が自己関連知識の処理に与える影響が検討された。自己情報はたとえNegativeな情報であっても収集をし、その情報を受け入れることが示されたが、それが自己関連知識の処理とどの様に関連するのかは未解決のままとなった。以上の実験を通して、来年度にむけての刺激の作成が可能となった。
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