1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01450021
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Research Institution | Teikyo University |
Principal Investigator |
末永 俊郎 帝京大学, 文学部, 教授 (80011261)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
厳島 行雄 日本大学, 文理学部, 助教授 (20147698)
沼崎 誠 帝京大学, 文学部, 助手 (10228273)
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Keywords | 社会的認知 / 情報処理 / 対人知覚 / 対人記憶 / 表情認知 / 自己 |
Research Abstract |
平成3年度は、平成2年度に引き続き、自己知識の情報処理と対人知覚、対人記憶、表情表出の3つのモジュ-ルの各々に対して、モジュ-ル間の関連性をとらえる実験を行った。平成2年度では、自己知識の情報処理と対人知覚、対人記憶に関して、自己生成パラダイム(selfーgeneration paradigm)による自己関連づけ効果の検討を行った結果、感情が情報処理に影響を与えることが明かとなった。 そこで、平成3年度では、先の自己生成パラダイムを用いた実験を再度行い、ネットワ-ク理論(e.g.,Anderson,1983)による説明が可能となることをより明確に示すと共に、SAMモデル(Raaijmakers & Shiffrin,1981)を使用してのシュミレ-ションの可能性を検討した。 その一方で、このように感情が情報処理に影響を与えることが、表情表出および表情認知にどのように関連するかについての実験を行った。表情表出に関しては、顔面表情のカテゴリ-化のための視覚的情報次元を、物理的数量化する試みをさらに進め、特定の感情状態の特徴をより明確にすることができた。また、表情認知に関連しては、典型性効果を認知的処理時間から検討し、表情認知における情報処理過程を検討した。 また、自己知識がどのように表象されているかを明確にするために、多面的自己の視点からの実験を行った。その結果、多面的な属性を自己に帰属させる傾向が見いだされた。また、自己の感情と関連して、自己の動機的側面が自己知識の形成にどのような影響を与えるかに付いて、理論的検討を行った。 最後にこれら研究を総括するモデルとして、ネットワ-クモデルAnderson(1983)の有効性を検討した。
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