1989 Fiscal Year Annual Research Report
授業諸要因の関連構造にもとづく授業モデルの開発に関する実験的研究
Project/Area Number |
01450043
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
日比 裕 名古屋大学, 教育学部, 教授 (60032504)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
的場 正美 名古屋大学, 教育学部, 助教授 (40142286)
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Keywords | 授業分析 / 授業諸要因 / イメ-ジ / 媒介要因 / J.S.ブルナ- |
Research Abstract |
授業諸要因を関連構造として抽出する媒介要因重要性、要因を顕在化するための実験計画、教授理論家の著作にみられる概念の関連構造と要因の関連構造の照応の問題について述べると次のようである。 1.授業諸要因の関連構造を抽出する場合、2要因間を媒介する要因に注目することによって要因が構造的に抽出できる。授業諸要因の関連構造を抽出するために私達が計画した実験授業「野菜やくだもののもよう」において子どもが模様を構成していく制作過程は6つのタイプに分類できた。どのタイプでもイメ-ジの要因が関わっていて、模様の制作に重要な役割をはたしていた。模様を子どもが制作する過程に関わる要因としては、イメ-ジの他、操作、描いた対象の構造、技法(色の)選択、イメ-ジの変化、想起、経験、試行錯誤、目標、拡大、関係の検討、めだつ、背景、模様観など多様な要因がみとめられる。これらの要因は、例えば、描いた対象の構造と表現の要因の間を媒介するイメ-ジや想起といった要因に注目することによって、3つないし4つの要因を関係づけ、構造的に把握できる。 2.当初、私たちは授業諸要因が限定的に現れる授業を計画した。そこでは分析的操作とか視覚化という子どもに共通の要因が強く現れた。次に、要因の範囲と種類を広げるために理科と図工のような一種の合科的な授業を計画した。そこでは要因の現れ方に個人差がでてくると共に通常表れにくい要因(例えば、Aという子どもがBという子どもの作品と性格を関係づける場合の性格のような要因)が現れてくる。 3.模様の制作過程に関わる要因とブル-ナ-の著作に見られる概念との照応を試みたが、そこにはいくらかのズレがあった。デザインや技能についての著作にみられる概念を補足的に照応しながら要因の関連構造を再構成する必要がある
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Research Products
(1 results)