鹿地亘資料から見た日中戦争期中国文学の問題点の研究

1990 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 01450063
• Research Institution: The University of Tokyo
• Principal Investigator: 丸山 昇 東京大学, 文学部, 教授 (10011339)
• Keywords: 日中戦争 / 鹿地亘 / 国民堂統治地域の文学 / 日本人兵士反戦運動

Research Abstract

1.鹿地亘資料目録の再編・整備
初年度において従来初歩的に作成されていた資料目録を整備したが、今年度においてさらに原資料・目録・マイクロフィルムを細かく対照・検討したところ、初年度作成の目録(以下「初稿」と呼ぶ)には、なおかなりの遺漏があり、また整理方法においてもマイクロフィルムとの相関関係を明示する点においても少なからぬ欠点があることが明かとなった。このため資料目録初稿をより完全なものにし、かつ大幅に再編成した資料目録(二稿)を作成するとともに、マイクロフィルムとの相関関係を再点検して必要な資料をマイクロフィルムによってより簡便に利用し得る索引の機能も果たし得るようにした。なお原資料の個々について、なおその作成年代・性格等に疑いを残すものが少なくないので、最終年度においてさらに改訂を必要とする部分があることが考えられる。
2.資料の中、直接中国文学に関する資料、たとえば文学者の書簡等について検討を進め、新して知見を少なからず得ることができた。またこれらの書簡の重要なものについては、できる限り正確な複製を作成し、日本・中国の研究者に公開する予定である。
3.鹿地亘資料の歴史的・学問的価値を正確に評価するために、鹿地亘自身の科学的・批判的再検討も欠かすことはできない。そのための一環として、鹿地亘及びその周辺の年表の作成を続けるとともに、鹿地亘の回想録類の再検討に着手した。