1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01450080
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
廣松 毅 東京大学, 先端科学技術研究センター・情報技術社会相関, 教授 (80012491)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 検裕 東京大学, 教養学部, 助手 (80207711)
松岡 秀雄 東京大学, 先端科学技術研究センター・情報技術産業相関, 助手 (10013666)
竹内 啓 東京大学, 先端科学技術研究センター・情報技術産業相関, 教授 (20012114)
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Keywords | 「情報化」 / マクロ経済分析 / 情報財 / 情報産業 |
Research Abstract |
今日、「情報化」という現象が経済全体の1つの大きな変動要因であることは否定できない。しかしこれまで経済学の分野では、このような現象は「情報の経済学」、「技術の経済学」という形でミクロ経済学の対象とされ、その理論的側面の解明が中心であって、マクロ経済学の視点にたつ実証分析はきわめて限られていた。このような状況は「情報化」の経済的、社会的重要性を考えると、きわめてアンバランスである。 このような観点から、本年度は「情報化」が経済に与える影響を分析するための理論的枠組みの構築と実証分析のための手法の検討を行った。その具体的な内容は、以下のとおりである。 (1)現在、様々な分野で議論されている「情報化」という現象のうち、主として経済に関する領域を整理した。 (2)「情報化」の分析にとって重要な概念は、抽象的な情報ではなくて、具体的な情報財である。そのためミクロの「情報の経済学」で整理された経済財としての情報の概念を用いて、情報財の定義、情報財の経済財的性質、情報財と情報活動の関係についての基本的考え方を検討した。 (3)情報財の需要、生産形態について考察した上、情報財の価格形成と価値とを分析する。そして情報財の市場についても考察した。 (4)上の理論的考察をもとに、情報産業を具体的に定義し、「情報化」の実証分析の枠組みを提示するとともに、試算を行った。 なお、今年度の研究成果の一部は廣松毅・大平号声著「情報経済のマクロ分析」として平成2年5月に刊行予定である。
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[Publications] 竹内啓: "先端科学技術の可能性" 公衆衛生. 53-12. 800-804 (1989)
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[Publications] 松岡秀雄: "マクロエンジニアリング外交序論" MACRO NEWS. 16. 1-7 (1989)
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[Publications] 中井検裕: "非工業系用途地域における産業的土地利用を対象とした用途地域制による土地利用の変化についての実証的研究" 第24回日本都市計画学会学術研究論文集. 139-144 (1989)
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[Publications] 廣松毅・大平号声: "情報経済のマクロ分析" 東洋経済新報社, 260 (1990)
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[Publications] 竹内啓・KDD編集: "情報化と産業・経済(情報化社会をめぐる日中シンポジウム報告書)" 日刊工業新聞社, 300 (1990)