1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01450080
|
Research Institution | Research Center for Advanced Science and Technology (RCAST) |
Principal Investigator |
廣松 毅 東京大学, 先端科学技術研究センター・情報技術社会相関, 教授 (80012491)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中井 検裕 東京大学, 教養学部・社会科学科, 助手 (80207711)
本山 澄夫 東京大学, 先端科学技術研究センター・情報技術社会相関, 助手 (70013711)
竹内 啓 東京大学, 先端科学技術研究センター・科学技術産業相関, 教授 (20012114)
|
Keywords | 「情報化」 / マクロ経済分折 / 情報財 / 情報産業 / 産業連関表 / 情報支援産業 / 組織内情報活動 |
Research Abstract |
前年度行った「情報化」に関する理論的検討を踏まえて,本年度はモデルの構築とそれにもとづく実証分析を行った。 具体的には「情報化」をマクロ経済的に分析するために、情報財およびそれを生産する情報産業を定義し、その定義にもとづいて現在の産業連関表の産業分類を再分類し直した上で,情報産業,情報支援産業(コンピュ-タなどの情報機器を生産する産業),非情報産業の規模を計測した。計測期間は,産業連関表のデ-タを基礎にしているため,1975年,80年,85年の3時点である。 計測結果から,次の諸点が明らかになった。 (1)現在「情報化」と呼ばれているものの実態は,情報支援産業の急激な成長であって、ソフトウェア等に代表される情報財そのものを生産する産業は規模的にも,成長率の上でもそれほど大きくはない。 (2)その最大の理由は,多くの情報活動は組織内で行われており,それらは市場では評価されないからである。 このような結果ないしは知見を踏まえて,今後の研究の方向として,組織内の情報活動を何らかの形で評価できるような枠組みを考えるべきこと,そしてそのためには,単にマクロ分析だけではなくて,ある程度ミクロ,すなわち個々の産業ないしは企業にまで降りた分折を目ざすべきであることが明らかになった。
|
-
[Publications] T.Hiromatsu: "Information Technology and Japanese EconomyーAn Empirical Analysis on the Size of Information Economy" Proceedings on Korean Information Scociety Development Institute (KISDI) International Conference on International VAN. (1990)
-
[Publications] 廣松 毅: "「情報社会における都市システム」論に向けて" 都市問題研究. 43ー1. 49-56 (1991)
-
[Publications] K.Takeuchi: "Is Technology Really Global?" Proceedings of the 1st NISTEP International Conference on STP (Mita Publisher). (1990)
-
[Publications] 本山 澄夫・水町 守志: "DMEを利用した短距離航法の方式検討" 日本航空宇宙学会誌. 38ー434. 139-147 (1990)
-
[Publications] 阪本 一郎・高辻 秀興・中井 検裕: "千代田・港区における独立住宅地の更新過程" 日本不動産学会誌. 6ー1. 29-37 (1990)
-
[Publications] 廣松 毅・大平 号声: "情報経済のマクロ分析" 東洋経済新報社, 198 (1990)
-
[Publications] 竹内 啓・松岡 秀雄(編): "21世紀高度技術社会を迎えるに当たって" (財)統計研究会, 220 (1990)