1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01460004
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
増田 久弥 東京大学, 理学部, 教授 (10090523)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
東海林 まゆみ 東京大学, 理学部, 助手 (10216161)
石村 直之 東京大学, 理学部, 助手 (80212934)
深谷 賢治 東京大学, 理学部, 助教授 (30165261)
片岡 清臣 東京大学, 理学部, 助教授 (60107688)
俣野 博 東京大学, 理学部, 助教授 (40126165)
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Keywords | 反応・拡散系 / 非線型熱方程式 / 解の爆発 / 表面張力方程式 / 多様体上のベキレイ構造 / 水の波 / 分岐理論 |
Research Abstract |
増田は、非線形放物型方程式のなかでも特に大切なのは反応ー拡散系といはれるクラスであるが、これに対しと初めて安定な周期解の存在を示すことに成功した。 俣野はヂリクレ-境界条件を満たす1次元非線形熱方程式の解の爆発を研究した。適当な非線形項に関する条件のもとで、任意の連続関数を初期値にもつ解は、有限個の点でのみ爆発することを示した。石村は非線形方程式のうちでも大切な表面張力方程式の多値関数解の存在、非存在を、重力をパラメ-タ-とみと分類した。 さらに、平均曲率流問題にたいしてもいくつかの成果を得た。幾何学における非線形偏微分方程式の問題として深谷は絶対値が1以下の断面曲率をもつリ-マン多様体の小さい球体の構造についての研究をした。この球体の退化する方向はベキレイリ-群を用いて記述できることが以前の深谷の結果から分かっていた。今回新しく、ベキレイ群の作用を局所作用としてはりあわせることで退化する方向の大域的な様子を明らかにできた。 線形偏微分方程式との関連で片岡は、シンプレチックな多重特性帯をもつ退化楕円型作用素の準楕円性を証明した。数値解析の観点より東海林は重力と表面張力の作用のもとで渦なし流れによる水平進行波の解を考え、それの、水の深さと波長との比、波の伝播速度、表面張力と重力と比に対応する3つのパラメ-タに依存する依存の仕方を研究し新しい計算方法を確立し分岐構造を明らかにした。 そのほか、小谷による開リ-マン面のテ-タ関数の古典論の拡張、小松による佐藤の超関数の研究、岩崎による微分方程式の族の幾何学的研究、長田によるフラクタルの研究、小林による簡約型等質空間の調和解析の研究がある。
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[Publications] 増田 久弥: "Asymptotic behavior of sosolutions of reactiondiffusion systems of Volterra type" J.Differential Equations.
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[Publications] 俣野 博: "Singular solutions of a nonlinear elliptic equation and an infinite dimensional dynamical system" Lec.Notes in Mathematics. 1450. 64-87 (1990)
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[Publications] 片岡 清臣: "On microhyperbolic mixed problems" J.Math.Soc.Japan. 43. (1991)
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[Publications] 深谷 賢治: "Hausdorff Covergence of Riemannian manifolds and its applications" Advanced Studies in Pure Math.18. 143-238 (1990)
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[Publications] 石村 直之: "Nonlinear eigenvalue problem associated with the generalized capollarity equation" J.Fac.Sci.Univ.Tokyo Sect.IA. 37. 457-466 (1990)
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[Publications] 東海林 まゆみ: "New bifurcation diagrams in the problem of permanent progressive waves" J.Fac.Sci.Univ.Tokyo. 36. 571-613 (1989)