短寿命核のスピン偏極生成とf_<7/2>鏡映核の磁気モ-メント

1989 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 01460018
• Research Institution: Osaka University
• Principal Investigator: 野尻 洋一 大阪大学, 理学部物理学教室, 助教授 (90028233)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 福田 光順 大阪大学, 理学部物理学教室, 助手 (50218939) ; 松多 健策 大阪大学, 理学部物理学教室, 助手 (50181722) ; 南園 忠則 大阪大学, 理学部物理学教室, 教授 (20028210)
• Keywords: 短寿命核 / 鏡映核 / スピン偏極 / 磁気モ-メント / NMR法 / 傾斜膜法

Research Abstract

1 短寿命ベ-タ放射性核に適用可能なベ-タNMR法の測定装置一式を設計し、それを内部に装備するための真空箱を、本年度の設備備品で購入した。加速器からの入射ビ-ムを標的核に照射し、生成される短寿命ベ-タ放射性核を植え込み結晶に集めて、放射するベ-タ線を検出して研究に用いた。
2 生成した短寿命ベ-タ放射性核をさらに後段加速するため、小型直線加速器RFQライナック「LITL」の、基礎準備及び調整を終了した。加速の最適条件を見いだすため、高電力高周波発信器の基本調整及び基礎テストも終了した。その結果、RFQライナックと高電力高周波発信器ともに、所望した性能が得られた。
3 RFQライナックの内部を高真空に保つため、タ-ボ分子ポンプを設備備品として購入した。その結果、ライナック内部の真空度は、1x10^<-6>Torrまで到達した。
4 磁場による加速ビ-ムの運動量分析のために小型電磁石を設計し、その励磁のために用いる高精度安定化直流電源と共に、設備備品として購入した。
5 不安定核の後段加速のために、生成された短寿命ベ-タ放射性核の多価イオンを、短時間にかつ効率良く生成可能なHiECRイオン源を開発し、その基礎テストを実行した。
6 短寿命ベ-タ放射性核の核スピン偏極生成技術を発展させるため、中重核の核偏極生成に傾斜膜法を適用した基礎実験を、既存の実験装置を用いて行なった。
7 今後の研究計画は、さらに多種類の核種の短寿命ベ-タ放射性核を生成、加速、偏極させ、これらを用いた新しい原子核研究を行なう。

Research Products

• [Publications] Y.Nojiri: "Beta-Polarization Measurements in Solids" Hypefine Interactions. (1990)
• [Publications] T.Minamisono: "Magnetic Moment of Beta-Emitting ^<41>Sc(l^π=7/2^-)and Knight Shift in Pt Metal." Hyperfine Interactions. (1990)
• [Publications] T.Minamisono: "Quadrupole Moment of Short-Lived Beta-Emitting ^<41>Sc(1^π=7/2^-)" Hyperfine Interactions. (1990)
• [Publications] K.Matsuta: "NMR on Short-Lived Beta-Emitter ^<43>Ti using New Fragment Separator at LBL" Hyperfien Interactions. (1990)
• [Publications] A.Kitagawa: "Hyperfine Interactions of Beta-Emitting ^<12>B and ^<12>N in Mg Crystal" Hyperfine Interactions. (1990)
• [Publications] A.Ozawa: "Polymer Foil Applicable to the Tilted Foil Technique" Hyperfine Interactions. (1990)