1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01460042
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Research Institution | Research Center for Extreme Materials |
Principal Investigator |
山岸 昭雄 大阪大学, 極限物質研究センター, 助教授 (10006273)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀 秀信 大阪大学, 理学部, 助教授 (20028244)
伊達 宗行 大阪大学, 理学部, 教授 (80028076)
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Keywords | 強磁場 / 生体組織 / 血液 / 生体分子 / 磁場配向 / フィブリン / 生体磁場効果 / オ-ダ-パラメタ- |
Research Abstract |
生体への磁場効果は古くから研究されているにもかかわらず明快な報告は少なく、特に物理的に理解できる現象は数限られている。我々は明確な磁場効果を観測することにより複雑な生体ー磁場の関係を探るという目的で、物理的にクリアに理解できる非熱現象として生体物質の磁場配向について実験的研究を進めてきた。生体組織のほとんどは反磁性物質から成りり分子レベルでの帯磁率異方性は一般に10^<-29>emu/molecule程度で非常に小さい。前年度の理論的解析とそれに基ずいた予備実験から、生体組織によく見られるように多数の異方的反磁性分子がその軸を同一方向に揃えて結合すると大きな帯磁率異方性が得られ1T程度の磁場でも十分に全配向が期待できることが分かった。今年度は特にフィブリノ-ゲンの重合反応の間にどのように磁場配向が進むか、また重合分子数がどのように増大するかを8Tまでの定常磁場と40Tまでのパルス強磁場を用いて光透過率、磁気複屈折等の光学的手段を用いて観測した。 1.重合初期の5〜10分間が配向にとっては重要でその後の配向度に大きく影響し、この期間を経過したあとは磁場をゼロにしても配向が進むことが確認された。またこの期間内に磁場をゼロにすると配向はランダマイズしていくことも観測された。 2.1.の初期過程でファイバ-の長さ、太さ共に急速に成長する。 3.以上のことからファイバ-が未だ小さくその運動、特に回転運動が自由にできる間に磁場配向が進み、周りのフィブリン分子が配向したファイバ-に次々と結合し成長していくものと考えられる。 4.またパルス磁場の測定からファイバ-があまりに小さいと反磁性の帯磁率異方性が小さ過ぎて磁場配向が難しく、1.の時間帯が重要であることが確認された。 更に血液中の代表的組織として赤血球の磁場配向効果を調べたところ、4Tの静磁場でその面を磁場に平行して全配向することが確認された。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] A.Yamagishi,T.Takeuchi,T.Higashi and M.Date: "Polymerization of biological molecules under high magnetic fields" Physica B. 155. 433-436 (1989)
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[Publications] 伊達 宗行: "強磁場と物質科学" 科学と教育. 37. 620-623 (1989)
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[Publications] A.Yamagishi,T.Takeuchi,T.Higashi and M.Date: "Diamagnetic orientation of polymerized molecules under high magnetic field" J.Phys.Soc.Jpn.58. 2280-2283 (1989)
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[Publications] A.Yamagishi,T.Takeuchi,T.Higashi and M.Date: "Magnetic field effect on the polymerization of fibrin fibers" Physica B. 164. 222-228 (1990)
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[Publications] M.Date,A.Yamagishi: "Recent trends in high field magnetism" Int.J.Appl.Electromag.mat.1. 117-123 (1990)
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[Publications] A.Yamagishi: "Biological systems in high magnetic field" J.Mag.Mag.Mat.90&91. 43-46 (1990)