1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01460066
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Research Institution | National Laboratory for High Energy Physics |
Principal Investigator |
大隅 一政 高エネルギー物理学研究所, 放射光実験施設, 助教授 (70011715)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大政 正明 筑波大学, 物質工学系, 助教授 (30092159)
山本 樹 高エネルギー物理学研究所, 放射光実験施設, 助手 (20191405)
田中 健一郎 高エネルギー物理学研究所, 放射光実験施設, 助教授 (90106162)
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Keywords | 極微小単結晶 / CVDダイアモンド / 結晶形態学 / 放射光X線 / X線回折 |
Research Abstract |
科学研究費補助金交付の初年度である今年度の重点項目は、 1.極微小単結晶のモルフォロジ-(結晶形態学)のための走査型電子顕微鏡の購入と、これを用いたCVD(気相成長)ダイアモンドのモルフォロジ-観察のための予備的な実験を行うこと。 2.放射光より得られる強力白色X線を利用する極微小単結晶を対象とする回折計によって、CVDダイアモンドの回折・散乱X線像を測定すること。 の2点である。 第1の点については、適当な走査型電子顕鏡を購入し、CVDダイアモンドの形態観察を開始している。 第2の点については、回折計の改良を行ないながら、標準物質のモリブデン(半径0.4ミクロン)及び尖晶石(最大辺10ミクロン)との比較において1〜5ミクロンのCVDダイアモンドの回折・散乱像の強度測定を行った。また、CVDダイアモンドとの直接的な比較を目的として天然産ダイアモンド(8×3×1ミクロン)の回折像の測定を行った。 これらの実験の結果、初年度に得られた成果としては以下の通りである。 結晶形態の観察及び光学顕微鏡下での高い屈折率の確認から自形を呈するCVDダイアモンド(5ミクロン長)のX線回折像を測定した結果回折X線強度が比較したモリブデン、尖晶石および天然産ダイアモンドに比べて非常に弱く、回折線プロファイルも大きく異なり、格子構造に乱が生じていることが明らかとなった。鮮明な自形を有しながら、格子に歪があり、かつ回折強度が非常に弱いという一見相容れない結果が得られているが、これは、内部構造を反映しているものと考えられ、更に他の育生条件のCVDダイアモンドの評価を次年度に行う予定である。
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[Publications] K.Ohsami,K.Hagiya,M.Miyamoto,J.Matsuda,M.Ohmasa: "Characterization of CVD micrometerーsize diamond" Review of Scientific Instruments. 60. 2438 (1989)