1990 Fiscal Year Annual Research Report
高温高圧下におけるマグマ性珪酸塩融体の物性測定と急冷ガラスの分光学的研究
Project/Area Number |
01460067
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Research Institution | Osaka Prefectural Education Center |
Principal Investigator |
谷口 宏充 大阪府科学教育センター, 主任研究員 (70125251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 栄一 東京工業大学, 理学部, 助教授 (40144779)
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Keywords | マグマ物性 / 透輝石 / 灰長石 / 曹長石 / 粘性 / 密度 / ガラス転移温度 / 高圧 |
Research Abstract |
本年度は主として,昨年度作製した回転粘度計のテストと,一部珪酸塩メルトの粘性測定を試みた。それらの試料は透輝石ー灰長石系であり、すでに球体引きあげ法によって粘性を測定したものである。両者は測定誤差の範囲内で一致した。従って、今後、回転粘度計は球体引き上げ法では測定が困難な低粘性メルトの粘性測定に使用する。一方、球体引上法による透輝石ー曹長石系メルトの高温粘性、及び、センイ伸長法を用いた低温粘性の測定も進行している。昨年度でも触れたように,試料数を増やすに従い、Di40Ab60付近に於ける粘性,とりわけ低温粘性の極小がより明確になってきている。粘性において極小を示す組成付近では,ガラス転移温度に於いても明確な極小を示す。この現象に対して、主として配置エントロピ-理論にもとづく説明を行った。すなわち,メルトの混合モデルをもとに混合エントロピ-を計算する。但し、現段階では完全なモデルがないため,粘性の値を説明し得るような補正を行い,それを用いガラス転移温液を計算したところ、極わめて精度良く実験値に一致した。この事は今迄不可能であった。マグマのガラス転移温度予測を,端成分に関する実験デ-タと,混合モデルとから計算によって推定可能である事を示唆している。 一方、高圧下に於いては次の2点で大きな進展があった。第1はDi40Ab60メルトの1650℃/〜15Kbまでの密度測定が行なえたことである。昨年度のDi60Ab40に較べ、極わめて圧縮率が高いことがわかった。第2点目は、高圧下〜15KbまでのDi64An36メルトのガラス転移温度の測定を試みたことである。現状では測定方法に未だ、不充分な点が存在するが、一応、測定に成功したと考えても良い。今後,組成を変えて,測定を続ける予定である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] H.Taniguchi: "Densities of melts in the system CaMgSi_2O_6ーCaAl_2Si_2O_8 at low and high pressese" Contrib.Mineral.Petrol.103. 325-334 (1989)
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[Publications] 谷口 宏充: "マグマの海と地球" 近畿化学工業界. 435. 1-3 (1989)
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[Publications] H.Taniguchi: "Entropy dependence of viscosity and the glassーtransition temperature of melts in the system diopsideーmerthite" Contrib.Mineral.Petrol.(1991)
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[Publications] H.Taniguchi E.Takahashi: "Viscosity and glassーtransition temperature of some silicate melts under low an high presseses" Molten Salt Chemistry and Technology. (1991)
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[Publications] H.Taniguchi: "Dynamic process of material transport and transformation in the Earth's interior" Terra Sci.Pub.,Tokyo, (1991)