1989 Fiscal Year Annual Research Report
超イオン導電体におけるイオンダイナミックスのホ-ルバ-ニングによる研究
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01460069
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
末元 徹 東京大学, 物性研究所, 助教授 (50134052)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久我 隆弘 東京大学, 物性研究所, 助手 (60195419)
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Keywords | 超イオン導電体 / ホ-ルバ-ニング / ジルコニア / イオン伝導ガラス / 発光 |
Research Abstract |
本年度は、試料の作製、評価、測定装置の組み立て調整を中心に研究を進め、また一部の試料については、発光の励起スペクトルの測定、ホ-ルバ-ニングの予備実験を行なった。銀ハライド系の超イオン導電ガラスについては、AgI、Ag_2O、B_2O_3を原料とし、種々の成分 比における最適の作製条件を調べ、二三の光学的測定が可能な良質の試料を得ることが出来た。ガレ-トについては、十分に大きな単結晶を育成する事に成功し、希土類イオンの置換を試みている。さらに、ジルコニア系の試料については、キセノンア-クイメ-ジ炉を用いて、Pr^<3+>、Eu^<3+>などのイオンをド-プしたものを作製した。 Euをド-プしたYSZの系に関しては、エキシマ-レ-ザ-励起色素レ-ザ-を用いて、数種類のモル比の試料についてサイト選択励起発光スペクトルの測定を行ない、少なくとも3種類の異なるEuイオンサイトが存在することを明らかにした。また、そのサイトの比率は、Yイオンの濃度に依存して複雑に変化するという興味深い結果を得た。YSZと同じ結晶構造を持った酸素イオン伝導体であるCeO_2について、特に、Y_2O_3濃度の低い領域での振舞いを調べる目的で、上記と同様の測定を行った。その結果、4-5種類の異なったEu^<3+>イオンサイトが見いだされた。これらのサイトの差は、酸素イオンの配位の違いに起因していると考えられ、詳しいモデルについて検討中である(以上は、東北大学グル-プとの共同研究である)。 ホ-ルバ-ニングについては、狭帯域CWリング色素レ-ザ-を用いてHe温度における実験を開始したところである。未だ、ホ-ルの生成は確認されていないが、製作した装置が、ホ-ルの観測に十分な感度、周波数分解能を有することが分かった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] S.Muto,T.Suemoto and M.Ishigame: "Raman Scattering of the Superionic Conducting Glasses in the System Agl-Ag_2O-MoO_3" Solid State Ionics. 35. 307-310 (1989)
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[Publications] H.Yugami,T.Watanabe,T.Suemoto,S.Shin,S.Sobajima,M.Ishigame: "Control of Oxygen Deficincy in Superconducting Y_1Ba_2Cu_3O_7_<-y> Films Using a Solid-State Electrolyte" Jpn J.Appl.Phys.28. L1411-1414 (1989)
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[Publications] T.Suemoto: "Quasielastic Light Scattering in Superionic Conductors" Solid State Ionics.