1990 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01460070
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
徳山 巍 筑波大学, 物理工学系, 教授 (40197885)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本岡 輝昭 筑波大学, 物理工学系, 助教授 (50219979)
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Keywords | 非晶質シリコン / 構造緩和 / ラマン散乱スペクトル / イオン注入 / シミュレ-ション |
Research Abstract |
今年度は次の項目について研究を行った。 1.形成法の異なる非晶質シリコン膜の加熱による構造緩和過程の測定。 非晶質シリコン形成法としては、シリコン単結晶基板表面層へのSiイオン打ち込み法、超高真空分子線堆積法を用いた。構造緩和現象はラマン散乱スペクトルを測定し、そのTOフォノンピ-クの半値半幅から求められる原子間結合角の変化を目安とした。その結果次のことが分かった。 (a)構造緩和はアニ-ル温度に依存し、準平衡値までの変化はアニ-ル温度の高い方が早いが、平衡値自体はラマンスペクトルのTOフォノンピ-ク位置及びその半値半幅から見る限り試料による差は小さい。原子結合角の結晶値(109°)からの偏差は、初期値の〜11°から、500〜580℃アニ-ル後の準平衡状態では、7〜8°に減少した。 (b)構造緩和の進行は、室温イオン注入で作った非晶質シリコン試料が最も早く、次いで低温イオン注入、高真空中の堆積法で作った試料の順に緩やかになった。 2.Siイオン注入による単結晶Si基板表面層の非晶質化過程の検討。 イオン注入時の基板温度を23〜-200℃の範囲で変えて作った非晶質Si試料、及び室温中でド-ズ量を1E14〜1E15cm^<-2>と変化して作った試料について、原子結合角の偏差を測定した。その結果、ド-ズ量を増加すると結合次偏差は〜6°から〜11°に増加し、また基板温度が低い程偏差角が大きく、非晶質状態に差があることが分かった。 3.計算シミュレ-ション シリコン単結晶の中に空格子点を導入したモデルをつくり、シミュレ-ションにより構造緩和の過程を調べた。原子間力としてTersoff Potentialを用い、216個のSi原子の中に16個の空格子点を導入したモデルを用い、空格子点がdivacancy及びquadravacancyを形成した場合の原子間結合角度の分布、動径分布関数を算出した。 4.フォノン状態密度の計算 不規則系の電子状態計算法として、Haydock等により考察されたリカ-ジョン法を応用したシリコンのフォノン状態密度を計算するプログラムを開発した。この結果を用いてラマン散乱スペクトルから非晶質の構造に関する知見を得る方法を検討した。
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[Publications] T.Motooka and O.W.Holland: "Amorphization Processes in Selfーlon Implanted Si:Dose Dependence" APPl.Phys.Lett.
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[Publications] T.Motooka,F.Kobayashi,P.Fons,T.Tokuyama,T.Suzuki and N.Natsuaki: "Amorphization Processes in Selfーlon Implanted Si:Temperature dependence" APPl.Phys.Lett.
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[Publications] T,Motooka,F.kobayashi and T.Tokuyama: "Structural Relaxation in Amorphous Si" APPl.Phys.Lett.