1990 Fiscal Year Annual Research Report
エキシマレ-ザ-を用いた多光子励起イオン化法による二次イオン生成機構の解明
Project/Area Number |
01460084
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
志水 隆一 大阪大学, 工学部, 教授 (40029046)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笠井 秀明 大阪大学, 工学部, 助教授 (00177354)
河藤 栄三 大阪大学, 工学部, 助手 (60195112)
上田 一之 大阪大学, 工学部, 助教授 (60029212)
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Keywords | エキシマレ-ザ- / 多光子励起イオン化 / 二次イオン質量分析 / スパッタ-粒子 / 表面定量分析 |
Research Abstract |
本年度においてSALI定量分析の基礎技術を確立し、二次イオンの生成機構を解明する上でもっとも重要であるスパッタ中性粒子の速度分布の測定に着手した。はじめに、X,Y,Z軸独立移動機構を備えた試料台を導入しレ-ザ-光線の焦点位置と試料表面のスパッタ領域との精密な位置決めを可能にした。これによりレ-ザ-による多光子イオン化を効率良く行うことができ、またスパッタ放出後の粒子の軌道を確定することにより飛行時間分析器の総合的な検出効率が正確に求まりSALIの定量化が達成された。これまでに改良された装置の性能とSALI分析の定量化に関する詳細な分析についてはすでに論文として発表を行っている。また、レ-ザ-光線照射タイミングの微調整と併せて、スパッタ中性粒子の速度分布を正確に求めることも可能となった。この技術を利用して、表面偏析がスパッタ現象を大きく支配していると言われているCuNi合金の速度分布測定を試みた。通常の二次イオン質量分析(SIMS)で用いられているのと同程度の電流密度のイオン照射を行った後、時間の経過とともに試料表面からスパッタされるCu、Ni原子の速度分布の変化を測定したところ、「表面近傍での原子間の結合力がイオン照射によって減少しており、これが時間の経過とともに回復していく」というこれまでに知られていなかった新しい現象を発見した。(論文投稿中)この様な現象の本質的な解明には更なる研究を必要としているが、本研究で開発されたSALI分析装置が新しい表面定量分析手段を提供したことは疑うべくもない。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] E.Kawatoh and R.Shimizu: "Analysis of Sputtered Neutrals by Nonresonant Multiphoton Ionization I.Development of Laser Ion Counting System with a Simple TimeーofーFlight Measurement" Jpn.J.Appl.Phys.30. (1991)
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[Publications] E.Kawatoh and R.Shimizu: "Analysis of Sputtered Neutrals by Nonresonant Multiphoton Ionization II.A Quantitative Composition Analysis of CuーAl Alloy" Jpn.J.Appl.Phys.30. (1991)
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[Publications] E.Kawatoh and R.Shimizu: "Analysis of Sputtered Neutrals by Nonresonant Multiphoton Ionization III Change of the Velocity Distribution with Time After Sputtering" Jpn.J.Appl.Phys.