1989 Fiscal Year Annual Research Report
複合材料の微視的強度の力学的および分光学的基礎研究
Project/Area Number |
01460088
|
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
小泉 堯 東京工業大学, 工学部, 教授 (90016337)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
納冨 充雄 東京工業大学, 工学部, 助手 (70218288)
井上 裕嗣 東京工業大学, 工学部, 助手 (90193606)
|
Keywords | 複合材料 / 破壊強度 / 熱弾性応力測定法 / 赤外分光法 |
Research Abstract |
1.高分子材料および複合材料の材料定数に関する調査に基づいて、ポアソン比、縦弾性係数が異なる二つの材料を抽出し、これらを用いて複合材料の力学モデルを作成した。これの引張試験を行い、応力-ひずみ線図を得るとともに、試験片破断部を顕微鏡で観察し、破壊様式を論じた。さらに部分片振り荷重の下で疲労試験を行ない、モデルの破壊過程を観察した。同時に、本研究室で開発した赤外線放射温度計による熱弾性応力分布測定システムを使用して、モデルの温度分布ならびに応力分布を測定し、モデルは複合材の界面強度シミュレ-ションに利用できることを確認した。 2.力学モデルの妥当性をさらに検討するために、有限要素法による数値解析を実行した。実験応力分布の表面における結果と数値解析結果とを比較し、両結果はほぼ一致することを示した。実験による観測によれば、モデル内の破断面近くにおいては、かなりの塑性変形が確認されている。数値解析においては、モデル内に生ずる応力分布も算出されたが、塑性変形を考慮した解析は今後の課題と考える。 3.平成元年度分設備として赤外分光光度計を購入し、マトリックス材である高分子材料の劣化解明のために、赤外吸収スペクトルの測定に利用した。静的引張荷重のもとで塑性変形を生じると、材料の分子鎖が力学的なダメ-ジをうけ、赤外吸収スペクトルのピ-ク値のあるものは、僅かな波数移動を生じることを確認した。疲労試験材についての観測は、今後の検討課題として残された。
|