Research Abstract |
本研究では,特に超精密工作機械あるいは超精密計測機を実現する際に,今後大きな問題となると考えられる精密送りケ-ブルを対象として,新たな構造概念に基づいた連結機構の構造を提示すると共に,その特性のテ-ブルシステム全体に与える影響について総合的な検討を行なった.その結果,以下の様な有用な成果及び新しい知見を得ることができた. (1)4球組込み形連結機構を,テ-ブルと駆動系の接続部に適用し,性能評価を行なった結果,駆動系の外乱を除去,吸収する上で有効であることを確認した.従って,提案した4個の球体と板ばねの組合せによる機構は,ピッチング,ヨウイング,振れ回り等の駆動系側からの外乱を,効率的に除去,吸収する機能を具備していることを確認した. (2)エア-マウント連結機構を,テ-ブルと駆動系の接続部に適用し,性能評価を行なった結果,駆動系の外乱を除去,吸収する上で有効であることを確認した.従って,提案した結合部は,ピッチング,ヨウイング,振れ回り等の可動系の外乱を,効率的に除去,吸収する機能を具備していることを確認した. (3)従来から感覚的に指摘されているに過ぎなかったテ-ブルとその駆動系を連結する結合部の連結機構の構造が,テ-ブルシステム全体の機械的特性及び運動精度,振動特性に大きな影響を与えることを明かにした.更に超精密の運動精度を実現する移動テ-ブルシステムを構築する際には,従来のように案内構造の高精度化だけではなく,テ-ブルと駆動系の結合部について十分考慮しなければならないことを示唆した. (4)テ-ブルの運動軌跡の周期性を分析することにより,テ-ブルとその駆動系の連結機構の性能評価を行ない,連結機構の特性とテ-ブルシステムの運動精度の間には密接な相互依存性の存在することを明かにした.
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