1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01460106
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
中沢 弘 早稲田大学, 理工学部, 教授 (00063678)
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Keywords | 工作機械 / テ-ブル送り機械 / 高速化 / 油圧アクチュエ-タ / サ-ボモ-タ / 制御 / レ-ザ干渉計 / 円弧補間精度 |
Research Abstract |
現在の生産加工分野において高能率化を進めるため、工作機械の高速化が望まれている。しかし、従来の工作機械では主軸の高速化はすでに達成されているが(DN値で数百万)、それに対応した高速送りは、同時に高精度も維持しなければならないために実現することができなかった。そこで、本研究では高精度を維持しつつ高速送り(切削送り速度で20m/mm)を実現するために、従来のサ-ボモ-タとボ-ルネジによる送り機構に油圧アクチュエ-タを付加し、位置決め機能(サ-ボモ-タと送りねじ)と急加減速機能(油圧アクチュエ-タ)の2つの機能を独立させる新しいテ-ブル送り機構を考案した。さらにこのシステムについてシミュレ-ションを行ない、その結果に基づき試作を製作した。この試作機には本科学研究補助金で購入したレ-ザ干渉計を組込んで、高精度・高速なテ-ブルの同時XーY運動精度を測定できるシステムを構築した。この測定システムにより、高速運動時の円弧補間やランプ応答などの基本的特性の精度を計測した。その結果送り速度20m/mmのランプ入力時の整定時間は47msとなり、速い収束性を示した。半径150mmの円弧補間については接線速度20m/mmの場合に半径減少量が230μmとなり、荒加工においては十分使用できることが確認された。接線速度を5m/mm(従来の約3倍の送り速度)とした場合には、半径減少量は6.9μmとなり、従来並みの仕上げ加工精度を実現できた。もし従来機で5m/mmの速度で送ると、約40μm以上の誤差を生ずる。本システムは荒加工でも仕上げ加工でも大幅に高速化を図ることができる。今後はさらに油圧アクチュエ-タ系の性能を向上させるとともに、現代制御理論もとり入れて20m/mmで現在の5m/mmのときと同程度の精度を実現させることを目標に研究を進める。
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