1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01460114
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
石黒 亮二 北海道大学, 工学部, 教授 (20001167)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂下 弘人 北海道大学, 工学部, 助手 (00142696)
杉山 憲一郎 北海道大学, 工学部, 助手 (10002015)
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Keywords | 熱交換器 / 伝熱面 / ファウリング / スケ-リング / 結晶析出 / 結晶生長速度 / 炭酸カルシウム / 過飽和度 |
Research Abstract |
熱交換器の伝熱面に汚れが付着するファウリングは、熱抵抗を増加させ伝熱性能を低下させる。ファウリングの中で流体中に溶解している物質が伝熱面に析出してくる現象はスケ-リングと呼ばれ、ファウリングの主要な原因の一つである。スケ-リングに関する研究は従来から行われてきたが、その多くは、実機に近い条件を設定し、マクロな観察にもとづく整理式を得ることを目的とした試験研究的なものであって、壁面の状態をミクロに観察し、スケ-リングの本質を検討しようとする試みはほとんど行われていない。本研究では、析出物質として炭酸カルシウムを用いて伝熱面への析出挙動の微視的測定を行った。 本研究では、スケ-リングを比較的短時間で起こさせるために、溶液をかなりの過飽和状態で、しかも長時間一定値に保つことのできるル-プを用い、試験部に析出してくる結晶の状態を顕微鏡で観察しつつ、本研究費で調達した画像処理装置を用いてその様子を分析した。 その結果、壁面へ析出する結晶は、アラゴナイトと思われるA型と、カルサイトと思われるC型と、特定のできないB型とが表れること、A型の成長速度は溶液の過飽和度と壁面温度の双方に影響され、この両因子の影響を含む壁面過飽和度を代表因子に選ぶことにより比較的よく整理できること、A型の成長速度はC型よりかなり大きく、壁面過飽和度の増加と共にほぼ直線的に増加すること、壁面に析出する結晶形態の違いによってスケ-リングの進行速度が大きく異なること、壁面上ではほぼ一定の速度で結晶核が生成されることなどが分かった。しかし、どのような形態の結晶が生成されるかを決める条件には、かなり多くの要因が関与していることが推定され、それらを特定することはできなかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] R.Ishiguro,H.Sakashita and K.Sugiyama: "An Experimental Study of CaCO_3 Scaling" Heat Transfer Enhancement & Energy Conservation,ed.S.J.Deng,Hemisphere Pub.Corp.,Washington.(1990)
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[Publications] 石黒亮二、坂下弘人、杉山憲一郎、高村洋二: "炭酸カルシウムの高温壁面への析出挙動" 日本機械学会論文集B編.