1989 Fiscal Year Annual Research Report
吸収器の高性能化のための界面活性剤による吸収促進作用に関する研究
Project/Area Number |
01460115
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
斉藤 孝基 東京大学, 工学部, 教授 (40010681)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
飛原 英治 東京大学, 工学部, 助教授 (00156613)
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Keywords | 吸収 / 冷凍機 / ヒ-ト・ポンプ / 界面活性剤 / 表面張力 / 流下液膜 / 熱伝達 / 物質伝達 |
Research Abstract |
現在の吸収冷凍機は臭化リチムウ水溶液が作動媒体として使われているので、環境問題となっているフロン系冷媒を使わない冷凍機あるいはヒ-トポンスとして価値が高い、その高性能化のためには、吸収器の性能向上が不可欠であることが明らかになっており、高性能伝熱管の開発とともに界面活性剤の添加による吸収促進が研究され実用化されてきたが、界面活性剤の役割は十分には解明されておらず、経験的に使用条件などが定められてきた。本研究の目的は、臭化リチウム水溶液への水蒸気の吸収過程における界面活性剤の役割を解明し、より高性能な吸収器を開発するための指針を得ることである。 本年度は、垂直円管外を流下する高濃度臭化リチウム水溶液への水蒸気の吸収性能を界面活性剤を添加しない系で実験し、界面活性剤を添加した場合と比較するための基礎デ-タを得た。得られた主な知見は以下の通りである。 (1)流下液膜表面の温度や濃度の状態を詳細に測定し、流下液膜が層流として作成した吸収モデルと比較し、層液モデルの妥当性を確認した。 (2)液膜表面の濃度の不均一による表面張力の不均一が原因で、液膜の乱れと破断が発生することが観察された。その乱れによる吸収の促進より、破断による吸収面積の減少のほうが効果が大きく、流下液流量が少ないときには、特に吸収性能が層流モデルより小さいことが明らかになった。 (3)気液界面において、熱伝達と物質伝達の相違則は成り立たないことが明らかになった。 (4)平成2年度に行なう界面活性剤を添加した実験のための装置の設計を行った。
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