1989 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマCVDにおける寄与反応の分離と放電による反応プロセス制御
Project/Area Number |
01460117
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
岡崎 健 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (20124729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 彰 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (20144199)
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Keywords | プラズマCVD / プラズマ化学 / メタンプラズマ / 放電構造 / 発光分光 / パルス放電 / ラジカル / 反応制御 |
Research Abstract |
本研究では、特殊なプラズマ発生方法の適用により、プラズマCVDプロセスにおける反応制御の可能性を検討することを目的としている。この研究目的に対応して、本年度に得られた実績は次の通りである。 1.プラズマCVD実験システムの製作 石英ガラス製の円筒型CVDチャンバ(内部対向平板電極)、原料ガス供給系(CH_4、H_2、Ar、N_2、SiH_4、NOの6系統)、真空排気系、プラズマ発生用電源システム(DC、パルス)、発光分光計測系(OMA、フォトマル2系統)から成る実験システムを完成し、その特性を検証した。 2.放電の基礎特性の検討 DC放電と極短パルス放電(パルス幅50ns.150ns)とでは放電特性が全く異なり、CH_4で圧力1torrの時に安定したグロ-放電が達成できる限界が、前者では500V、1mA程度であるのに対し、後者ではパルス幅(150ns)内の瞬時値である7KV,80Aにまで達した。これは、パルス放電を用いることによりプラズマ場へのエネルギ注入が、時間平均値ではDCと同等か数倍程度でも、瞬時値では10^6倍程度が可能であることを示しており、多量の高エネルギ電子の衝突による有効ラジカルの大量生成で、反応を制御することの可能性を示唆している。 3.発光分光スペクトルとラジカル発光の経時変化 OMAで得られた発光スペクトルは、DC放電とパルス放電で大きな差異が観察された。DC放電ではCHのほかにHα、Hβ、H_2などからの発光を含む複雑なスペクトルになるのに対し、パルス放電ではCHのみの鋭いピ-クが現れた。またパルス放電において、CHの発光強度はパルスの立ち上がりからやや遅れがあって後徐々に増大するが、Hαは、急峻な立ち上がりの後急速に減衰する特徴を持つ。このようなラジカル間の生成消滅特性の差異を明確に捕らえることが可能となった。
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[Publications] 竹腰敬,戸部了己,佐藤圭,水野彰,岡崎健: "プラズマCVDにおける反応制御へのパルス放電の応用に関する検討" 第27回日本伝熱シンポジウム講演論文集. (1990)