1991 Fiscal Year Annual Research Report
プラズマCVDにおける寄与反応の分離と放電による反応プロセス制御
Project/Area Number |
01460117
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
岡崎 健 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (20124729)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水野 彰 豊橋技術科学大学, 技術開発センター, 助教授 (20144199)
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Keywords | プラズマCVD / プラズマ化学 / メタンプラズマ / 放電構造 / 極短パルス放電 / ラジカル反応 / 反応制御 / プラズマ構造制御 |
Research Abstract |
プラズマCVDにおける反応プロセスの能動的制御を目的として、高電圧極短DCパルスプラズマの維持機構を解明し、これをふまえてプラズマ構造の制御を実際に試みた。本年度の研究で得られた結論は次の通りである。 1.高電圧極短DCパルス放電における放電開始遅れ時間τは、V/√<pd>をパラメ-に選ぶことにより統一的に整理できる。ここで、Vはピ-ク電圧、pは圧力、dは電極間距離である。これにより、放電を維持するためのパルス幅の下限値が決まる。 2.高電圧極短DCパルス放電の放電機構は、定常DC放電のものとはかなり異なる。放電自続のためには、定常DC放電と高電圧極短DCパルス放電のどちらも、陰極からのイオンによる二次電子放出が重要な役割を果たしているが、定常DC放電では、二次電子放出に対する陰極近傍のイオンシ-スは、陰極面の負の電荷を遮蔽するために形成される。これに対し、高電圧極短DCパルス放電におけるイオンシ-スは、電子とイオンのドリフト速度の大きな相違によって、陰極近傍の電子の空乏化のため生じるものである。 3.高電圧極短DCパルス放電における陰極暗部厚さδは、δ/d=A(V/pδ)^<-1.3>により統一的に表される。これにより、プラズマ構造の電極間での層状制御が、圧力、印加電圧、電極間距離の外部制御パラメ-タにより可能となった。パルス幅も重要な外部パラメ-タとなることが予想される。 4.定常DC放電に高電圧極短DCパルス電圧を印加するハイブリッドを行うことにより、定常DC放電の放電開始電圧を著しく低減できる。このことは、圧力の高い領域(数十〜数百Torr)での定常DC放電の安定した放電開始に対し有効であると考えられる。
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[Publications] A.Mizuno,K.Okazaki,T.Takakoshi,R.tobe: "Structure of UltraーShort Pulsed Discharge Plasma" Conf.Rec.IEEE/IAS Annual Conference(Deaborn). 693-697 (1991)
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[Publications] 戸部 了己,竹腰 敬,安田 真一,水野 彰,岡崎 健: "プロセシング用高電圧極短DCパルス放電ブラズマの特徴と維持条件" 第52回応用物理学会学術講演会(要旨集). 1. 21 (1991)
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[Publications] 岡崎 健,戸部 了己,安田 真一,水野 彰: "CVD用高電圧極短パルスプラズマ構造の能動的制御" 第29回日本伝熱シンポジウム講演論文集. (1992)