1989 Fiscal Year Annual Research Report
ラジカル自発光およびミ-散乱光の分光可視化画像処理による噴霧火炎の構造解析
Project/Area Number |
01460118
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
水谷 幸夫 大阪大学, 工学部, 教授 (80028993)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中部 主敬 大阪大学, 工学部, 助手 (80164268)
香月 正司 大阪大学, 工学部, 助教授 (20029292)
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Keywords | 燃焼 / 可視化技術 / 画像処理 / ラジカル / 化学発光 / 固体発光 |
Research Abstract |
本年度は、以下の4項目が達成できた。 (1)光学観測に適した火炎(Wolfhard-Parker火炎)の分光測定デ-タに基づくコンピュ-タ・シミュレ-ションを行うことによって、OH、CH、C_2ラジカル自発光の性質を調査し、それらの可視化方法を検討した。 (2)輝炎に対しては、多種類の光干渉フィルタに対して得られる火炎発光画像を演算処理することによって、CHラジカル自発光を背景光(すすなどからの固体発光)から分離・抽出して画像化する方法を開発した。不輝炎については、背景光の影響がほとんどなかったので、このような画像演算を施す必要はなかった。 (3)乱流火炎や噴霧火炎などの変動する火炎についても、ラジカル自発光画像の平均化を行った後、画素ごとの演算を実施すれば、背景光に埋もれた微弱な発光でも時間平均的には可視化できることが分かった。また、軸対称2次元の火炎については、ラジカル自発光強度の断面分布が求まる行列演算を組み込んだ。 (4)レ-ザ光源、干渉フィルタ、イメ-ジ・インテンシファイア、CCDカメラおよび機械式シャッタを用いて、油滴からのミ-散乱像および各種ラジカル自発光像の瞬間的な撮像を行う方法を開発した。 (5)噴霧火炎中でポイント測定できるように、各種ラジカルの自発光および油滴からのミ-散乱の多波長を干渉フィルタで分光して同時連続モニタする光学系を構築した。また、ラジカル自発光とミ-散乱光との検査体積を一致させるために、光学測定用プロ-ブを製作した。 本研究では光学測定を多用しており、光軸調整などにかなりの時間を取られることが多かったので、これをもう少し円滑に作業できるよう工夫する必要があると思われる。
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[Publications] Yukio MIZUTANI: "Processing of Luminescent Radical Images for Flame Diagnostics" JSME International Journal Series II. 32. 455-463 (1989)
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[Publications] 中部主敬: "火炎発光と油滴ミ-散乱による噴霧火炎と気液混焼火炎の構造観察" 日本機械学会論文集(B編). 55. 2517-2525 (1989)
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[Publications] Kazuyoshi NAKABE: "Detailed Flame Structures of Liquid Sprays and Gas-Liquid Coburning Mixtures" Extended Abstracts:Joint Conference Australia/New Zealand and Japanese Sections. 254-256 (1989)