1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01460119
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
尾添 紘之 九州大学, 機能物質科学研究所, 教授 (10033242)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 剛良 九州大学, 機能物質科学研究所, 助教授 (20193592)
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Keywords | 薄膜 / 真空蒸着 / 凝縮 / 振動励起 / 電子線 / YAGレ-ザ- / 蒸着機構 / アルミニウム |
Research Abstract |
YAGレ-ザ-を照射することにより蒸着金属原子および固体(基板)原子の振動エネルギ-状態を励起した真空蒸着実験を行った。るつぼを抵抗加熱することにより金属蒸気(本年度はアルミニウムを使用)を発生させ、るつぼと対向して置かれた基板表面に蒸着させる。基板温度は、シ-スヒ-タ-および液体窒素により温度制御されている。蒸着過程において適宜YAGレ-ザ-を照射することにより蒸着金属原子およぴ固体(基板)原子の振動エネルギ-状態を局所的に励起した。また蒸着中、反射型高速電子線回折(RHEED)により薄膜結晶構造を常時“その場"観察した。形成した薄膜は走査型電子顕微鏡およびEPMAを用いて分析した。その結果以下のことが明かとなった。 1.基板温度が薄膜結晶構造に及ぼす影響は非常に大きい。基板温度が-196℃ではアモルファス状態の薄膜が得られ、基板温度が上がるにつれて結晶粒のより大きな多結晶薄膜が形成された。本実験では現在のところ単結晶薄膜は得られなかった。 2.YAGレ-ザ-照射による局所的振動励起では薄膜結晶構造に変化は見られなかった。 3.蒸着過程において常時電子線が照射された部分にはアルミニウムが多く蒸着した。しかし、結晶粒の大きさに変化はなかった。 これまでのところ、局所的振動励起による薄膜結晶構造の変化は見られないが、電子線照射による蒸着促進は観察された。現在、この現象について調査中である。また、振動励起蒸着についても分光学的実験を行っているところである。
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