1990 Fiscal Year Annual Research Report
圧縮・吸収複合サイクル用新作動媒体の熱物性に関する研究
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01460120
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
上松 公彦 慶応義塾大学, 理工学部, 教授 (90051721)
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Keywords | アンモニア水溶液 / トリフルオロエタノ-ル水溶液 / エンタルピ-・組成線図 / 気液平衡線図 / 熱力学性質 / 飽和蒸気圧力 / 状態方程式 / 熱物性 |
Research Abstract |
本研究では、圧縮・吸収複合サイクル用作動媒体として注目されている各種水溶液の熱物性を明らかにする目的で、アンモニア水溶液の熱物性値に対し厳密な評価を行い、熱力学線図を作成し、水溶液の各種熱力学性質を測定する実験装置を完成させ、トリフルオロエタノ-ル水溶液の成分物質の熱力学性質を高精度で測定した。 アンモニア水溶液については、本年度新たに公表された文献情報をデ-タベ-スに加えて整備し、各種の実験値および状態式等の評価を継続し、エンタルピ-・組成線図の作成にはZieglerーTreppの式、気液平衡線図の作成にはPRーSoave式を使用することが現状では適当であるとの結論を得た。これにより両線図を作成した。また、PVTX性質、飽和液体密度、エンタルピ-等の実測値情報の不足、臨界曲線の各種実測値間の大きな相違などを明らかにし、輸送性質を含め今後実測する必要性の高いことを指摘した。さらに、気液平衡、エンタルピ-等の計算のみならず、液液固3相平衡等の多相平衡の推算が可能である状態方程式の開発に着手した。 水溶液の各種熱力学性質を測定する装置については、〜520K,200MPaまでの温度・圧力範囲において所期の測定精度が実現できることを確認し、さらに、溶触塩を熱媒として用いることにより700Kまでの高温において使用可能であることを示した。また、トリフルオロエタノ-ルの飽和蒸和圧力を320〜400K(30〜589kPa)の範囲において温度測定精度±6mK、圧力測定精度±0.6kPaで測定し、86点の実測値を得た。これらの実測値に基づいて、その標準沸点を347.03±0.10Kと決定した。さらに、トリフルオロエタノ-ルのPVT性質および飽和液体密度の測定を313〜413K,〜200MPaの範囲で実施した。今後各種組成のトリフルオロエタノ-ル水溶液に対し各種熱力学性質の測定を実施する計画である。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Y.Kabata,M.Uematsu: "Apparatus for Measuring Various Thermodynamic Properties of Aqueous Mixtures up to 700K and 200MPa" Proceedings of the 3rd ASMEーJSME Thermal Engineering Joint Conference. (1991)
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[Publications] Y.Kabata,S.Yamaguchi,Y.Takiguchi,M.Uematsu: "Measurements of the Vapor Pressure of 2,2,2ーTrifluoroーethanol in the Temperature Range from 320 to 400K" Journal of chemical Thermodynamics. 23. (1991)
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[Publications] 加幡 安雄,山口 重夫,瀧口 幸延,上松 公彦: "2,2,2ートリフルオロエタノ-ルの飽和蒸気圧の測定" 日本機械学会第68期全国大会講演会講演論文集. 900ー59c. 37-39 (1990)
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[Publications] 加幡 安雄,山口 重夫,瀧口 幸延,上松 公彦: "320〜400Kの温度範囲における2,2,2トリフルオロエタノ-ルの飽和蒸気圧の測定" 第11回日本熱物性シンポジウム講演論文集. 373-376 (1990)
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[Publications] 吉沢 伸幸 上松 公彦: "水+アンモニア混合流体の熱物性値および状態式の評価" 第11回日本熱物性シンポジウム講演論文集. 493-496 (1990)