1991 Fiscal Year Annual Research Report
ゆらぎ成分の広域的監視による電力系統の異常検出と知的予防処置の基礎研究
Project/Area Number |
01460128
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
豊田 淳一 東北大学, 工学部, 教授 (70054319)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小林 勇二 東北電力(株), 電力技術研究所, 主幹研究員
斎藤 浩海 東北大学, 工学部, 助手 (10202079)
内藤 文信 東北大学, 工学部, 助手 (00005357)
佐藤 光男 東北大学, 工学部, 助教授 (80111251)
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Keywords | 電力系統 / 広域的監視 / ゆらぎ成分 / 連系線潮流 / 系統制動効果 / ニュ-ラルネット / 予防制御 / 経済負荷配分 |
Research Abstract |
本研究では大規模電力システムで経験する最悪の事態すなわち広域停電事故の防止を目的として、電力系統で常時入手できるデ-タから異常の前兆を検出し、広域にわたる信頼性を診断して予防処置を行う手法について基礎研究を行い、本最終年度には次の成果を得た。 前年度に引き続き、潮流ゆらぎ成分の特徴量を利用したニュ-ラルネット技術による定態的な系統安定化技術、すなわちゆらぎ成分による予防制御の可能性について検討を進めた。この予防制御方策は、ゆらぎの特徴量と系統状況を記述する因子である発電機出力分布の因果関係をニュ-ラルネット上にバックプロパゲ-ション学習法を用いて構築し、それをベ-スとして系統の制動能力を向上させる発電機出力配分を決定する。本手法については、1991年IEEE主催の電力系統へのニュ-ラルネット技術の応用に関する国際会議で討議を行い、その可能性について評価を得ている。また、潮流ゆらぎとニュ-ラルネットを用いて、系統の定態安定性と経済性を協調させた経済負荷配分法の検討も行った。系統の安定性と経済性は、電源構成や運用上の制約によりトレ-ドオフの関係を有する場合があり、両者を協調させる負荷配分問題は多目的問題としてとらえることができる。検討している負荷配分法では、パレ-ト最適解の中から安定性と経済性が協調された1つの解を選定する部分にニュ-ラルネットが応用されている。本手法については、現在継続して検討を進めている。 以学本研究では、常時観測されるゆらぎ成分を用いた電力系統の異常検出及び予防処置について実測デ-タの分析を中心にその可能性を検討してきた。異常検出と知的予防処置のト-タルシステムを構築するまでには至らなかったが、ニュ-ラルネットなどの知識工学手法の適用可能性は確認できた。今後もさらに本研究の実現性を検討する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] H.Saitoh,Y.Shimotori,J.Toyoda: "Neural Network Based Preventive Control Support System for Power System Stability Enhancement." Proc.of the First International Forum on Applications of Newral Networks to Power Systems. IEEE Catalog No.91th0374ー9. 149-153 (1991)
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[Publications] 下鳥 順文,斎藤 浩海,豊田 淳一,小林 勇二: "経済性を考慮したニュ-ラルネットベ-ス予防型安定化制御" 電気学会電力技術研究会資料. PEー91ー63. 31-40 (1991)