1989 Fiscal Year Annual Research Report
エピタキシャル半導体・金属・半導体ヘテロ構造に関する研究
Project/Area Number |
01460144
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Research Institution | Kwansei Gakuin University |
Principal Investigator |
佐野 直克 関西学院大学, 理学部, 教授 (00029555)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冷水 佐寿 大阪大学, 基礎工学部, 教授 (50201728)
寺内 暉 関西学院大学, 理学部, 教授 (00079667)
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Keywords | MBE / IIIーV化合物半導体 / 金属・半導体ヘテロエピタキシ- |
Research Abstract |
今年度はIIIーV化合物半導体と金属とのヘテロ接合構造をMBEで作製し、その成長機構と構造を研究し、それらの物理的性質を研究してきた。 化合物半導体の構成元素であるIII族元素やV族元素と異なって、金属の場合は一般に蒸気圧が低い。それために抵抗加熱のクヌ-ドソン・セルは金属用には用いることが出来ず、電子銃加熱が用いられている。しかし、電子銃加熱はクヌ-ドソン・セルと比べるとその制御は格段に悪い。そこで原子尺度で制御した結晶作製のためには金属の分子線源として用いることの出来る高温用クヌ-ドソン・セルが絶対に必要であるとの考えから、高温用クヌ-ドソン・セルを開発し、1500℃でのガス放出10^<-10>Torr以下であるセルが作製できた。 この高温用クヌ-ドソン・セルを用いてMBEでGaAs上にNiA1の金属をエピタキシ-成長させ、その成長機構をRHEEDのその場観測により研究し、閃亜鉛構造をしているGaAs上にCsC1構造の金属NiAlがエピタキシ-成長することが確かめられたが、エピタキシ-成長するために非常にクリティカルな条件があることが明らかになった。また、GaAs/NiA1ヘテロ構造をX線回折と透過型電子顕微鏡により研究した。NiA1はほぼ1対1の合金となっており、GaAsとのエピタキシャル関係も明らかになった。 現在、NiA1以外の金属合金IIIーV化合物半導体の上にエピタキシャル成長が可能かどうか色々な金属合金で実験している。また、GaAs/NiA1の上にさらにIIIーV化合物半導体をエピタキシャル成長させることを試みている。
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