1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01460145
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
羽鳥 光俊 東京大学, 工学部, 教授 (60010790)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
相澤 清晴 東京大学, 工学部, 講師 (20192453)
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Keywords | 無線通信 / 広帯域都市内無線通信 / 移動体通信 / 適応電力制御 / 自動等化 / 適応等化器 / 状態分割形適応等化器 |
Research Abstract |
無線通信においては、広帯域な都市内通信網や高速ディジタル移動通信等への期待が大きく、このためには克服すべき問題が数多く存在している。準ミリ波帯,ミリ波帯の無線通信の適用が予定される広帯域市内網においては、降雨等の天候による伝送路の変動が大きく、いかに伝送路の変動を抑えるかが重要な課題となる。また、電波電搬範囲も天候等により著しく変化するため、これを、制御することも周波数の有効利用上重大な課題である。移動体通信の場合には、マルチパスに起因する伝送路特性の急速な変動の抑制が大きな課題である。以上に鑑み、本研究では伝送路変動を吸収し、より協調的な無線通信網を構成するために、以下の項目を研究してきた。 (1)広帯域都市内通信網のための送受信メカニズムの適応制御 従来の受信側の適応信号処理に加え、送信側の送信電力を受信状況に応じて適応的に制御する制御手法を検討した。この手法を施し、送信端受信端で協調的に網内の変動を吸収することにより、降雨による伝搬路特性の変動に対する受信レベルの安定化、平均送信電力の低減、同一チャンネル干渉の低減、ゾ-ン内見通し率の向上が図れることを確認した。 (2)高速ディジタル移動通信のための高速自動等化 高速ディジタル移動通信におけるような高レ-トかつ急変動の伝送路に対しては、より高速に変動に追随する等化方式が必要である。本研究では、急変動する伝送路に追随しうる高速等化として、伝送路の伝搬状態に関する知識をもとにアルゴリズムの高速化を図る状態分割形適応等化器を提案した。本手法は、簡易なLMS法を基礎に用いてながらも、急変動する伝送路に対して、これまで最も高速であると考えられていたRLS法より良い追従特性を有する事を確認した。
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[Publications] 伊丹誠,羽鳥光俊: "伝送路におけるマルチパスひずみ除去に関する検討" 東京大学工学部総合試験所年報. 48. 61-66 (1989)
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[Publications] 李濤,羽鳥光俊: "時変的な無線チャンネルの適応等化に関する検討" 電子情報通信学会技術研究報告(情報理論研究会). IT88-102 (1989)
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[Publications] 伊丹誠,羽鳥光俊: "音響系におけるハウリング除去に関する検討" 電子情報通信学会技術研究報告(応用音響研究会). EA89-4 (1989)
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[Publications] 李濤,羽鳥光俊: "時変マルチパス伝送路における適応等化方式の評価" テレビジョン学会全国大会講演予稿集. 225-226 (1989)
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[Publications] 李濤,羽鳥光俊,相澤清晴: "時変マルチパス伝送路に追従する状態分割型適応等化方式" 電子情報通信学会技術研究報告(無線通信研究会). RCS89-24 (1989)
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[Publications] 西山隆裕: "適応電力制御を用いた無線通信システム" 東京大学卒業論文. (1990)