1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01460153
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
三木 信弘 北海道大学, 応用電気研究所, 助教授 (30002314)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 正清 北海道大学, 応用電気研究所, 助手 (60192621)
元木 邦俊 北海学園大学, 工学部, 講師 (80219980)
永井 信夫 北海道大学, 応用電気研究所, 教授 (80001692)
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Keywords | 音声生成 / 声道モデル / 声門モデル / 流体解析 / 粘弾性体 / 回路モデル / 等価回路 / 音声合成 |
Research Abstract |
音声生成系に於て音源生成系の性質と解明する事は重要であると言う観点から,本年度の研究の一つとして,声門の2次元の形状モデルの非定常流れの数値実験をス-パ-コンピュ-タを用いて行った。これにより以下の新しい事実を明らにした。(1)どの形状に於ても肺側から声門の最も狭い部分に向かい圧力は急激に下降し,それより下流では,渦による場の乱が生じているにもかゝわらず,ほヾ流出境界での圧力値に等しい値を示した。(2)声門での圧力分布による考察では,声門下部に於ける圧力降下の分布はベルヌ-イの定理に基づく算出値と比較的近い分布が求められたが,声門の狭めの部分においては,ベルヌ-イの定理のみでは説明できない圧力降下があり,声門から声道に向かって移動する渦のエネルギ-によるものと推定された。(3)さらに声門上部での渦の乱れを乱流音源と見なした場合の音源特性を計算し,2〜3KH_zに最もエネルギ-が集中しており,又5KH_z以上の成分は非常に少ない事を示した。定常母音発声時であっても周期成分に加えて雑音成分が存在することを明らかにした成果は,音声合成及び音声認識への応用に対し重要な知見を与えた。次に声道内部の音波の伝ぱんの3次元的音圧分布及び位相等曲線を母音のレプリカを用いて測定し,3KH_z付近でも平面波以外の伝ぱんモ-ドが存在することを明らかにした。声道壁インピ-ダンスモデルを考察し,3パラメ-タによる声道壁の粘弾性体モデルが有効であることを数値実験により明らかにした。これにより声道壁厚を外部パラメ-タとして壁の音響的等価回路を求めることが可能となった。さらに,声道の共振反共振特性であるホルマント(アンチボルトマント)の時変特性を音声信号から直接的に適応的推定アルゴリズムにより推定する方法を考察し,有効性を明らかにした。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 三木 信弘: "音声生成過程の音響理論の最近の進歩" 日本音響学会誌. 48. 15-19 (1992)
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[Publications] 飯嶋 弘之,三木 信弘,永井 信夫: "声門形状における非線形粘性流れによる声帯表面への力学的影響" 電子情報通信学会論文誌. J74ーA. 1267-1274 (1991)
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[Publications] 豊嶋 拓央,三木 信弘,永井 信夫: "スペクトル傾きを組み入れた適応的ホルマント推定" 電子情報通信学会論文誌. J74ーA. 813-821 (1991)
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[Publications] 神山 直久,三木 信弘,永井 信夫: "粘弾性声道壁の声道モデルへの導入と声道伝達特性に及ぼす影響について" 電子情報通信学会技術研究報告. Spe11ー43. 1-8 (1991)
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[Publications] H.Iijima,N.Miki,N.Nagai: "Glottal Impedance Based on a Finite Element Analysis of TwoーDimensional Unsteady Viscous Flow in a Static Glottis" IEEE trams.Signal Processing. 40. (1992)