1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01460158
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
北森 俊行 東京大学, 工学部, 教授 (60010724)
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Keywords | 動特性表現 / 状態方程式表現 / 寄生的要素 / 積分型状態方程式 / 状態推定フィルタ / 状態フィ-ドバック / 伝達関数表現 / 制御理論再構築 |
Research Abstract |
工学的システムには主たる構成要素に比して小さく、とらえにくい不確かな要素が無数に寄生している。そのような寄生的要素は多くの工学的扱いでは無視できるのが普通である。しかるに、システムの動特性の基本的表現である。いわゆる状態方程式(連立1階常微分方程式)表現は寄生的エネルギ-蓄積要素の(容量性)パラメ-タの影響を強く受ける。すなわち、その寄生的パラメ-タを無視した(ゼロとした)場合と無視しない場合との間に,システム行列や入力行列の要素に無限大を通り越える形の不連続生が現れ、工学的状況との著しい不整合を示す。この問題を根本から解決するために新しい“積分型"状態方程式(連立1階積分方程式)表現を導入し、その導き方、またこの表現では従来の“微分型"状態方程式に現れた不連続性が全然現れないことを確認し、“微分型"と“積分型"における状態変数の間の関係からシステム行列などの係数行列間の関係を明らかにした。 つづいて、この積分型状態方程式表現上で、可観測性、可制御性の判別条件、状態推定フィルタの構成、極配置指定法による状態フィ-ドバック系の構成、最適レギュレ-タ系の構成の理論を再構築し、積分型状態方程式表現でも微分型状態方程式表現と同様に制御理論が組み立てられることを明らかにした。 さらに、寄生的パラメ-タの観点から伝達関数表現おらびそのインパルス応答のモ-メント系列表現との整合性がよいことを明らかにした。これは部分的モデルマッチング法による制御系設計法とも接続がよいことを意味している。 この積分型状態方式から時間応答曲線を計算するアルゴリズムおよびそれに基づくプログラムを作成し、シミュレ-ション実験が行なえる準備を整えた。
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