1989 Fiscal Year Annual Research Report
ジオグリッドの引抜き抵抗特性と補強土擁壁の設計法への応用
Project/Area Number |
01460179
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
落合 英俊 九州大学, 工学部, 教授 (00039679)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
荻迫 栄治 清水建設(株), 土木本部設計部, 研究員
梅崎 健夫 九州大学, 工学部, 助手 (50193933)
大谷 順 九州大学, 工学部, 助手 (30203821)
林 重徳 九州大学, 工学部, 助教授 (80112308)
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Keywords | ポリマ-グリッド / 引抜き試験 / 擁壁 / 砂 / 有限要素法 / 設計 / 土圧 / 相互作用 |
Research Abstract |
近年、土中にグリッド状の補強材を敷設して盛土や地盤を補強する工法が急速に発展し、多方面の応用が試みられているが、その補強効果を評価した設計法が確立されていない現状にある。本研究は、土中において引張り力を受けるジオグリッドの補強メカニズムの解明と補強効果の評価法の開発を行い、補強土擁壁に適用して、その実用的な設計法を確立することを目的とする。本年度は、まず標準砂と一軸および二軸延伸グリッドを試料として、ジオグリッドの引抜き試験を行った。この試験結果を基に、土中におけるジオグリッドの引抜き抵抗現象に関与するパラメ-タの抽出を行い、これらと引抜き抵抗の発生メカニズムとの関係を明らかにした。続いて、これらの試験結果に基づき、土中でのジオグリッドの補強機構を解明し、土中でのグリッドの変位と発生する引抜き抵抗力および鉛直力との間の関係を定式化し、補強土機構のモデル化を行った。またこの定式化された土とジオグリッドの補強機構の関係式を有限要素法に取り込み、補強土効果を的確に評価できる解析法の開発を行った。これらの過程において得られた主な知見は次のとおりである。1.土中で引抜き力を受けるジオグリッドのひずみ状態は一様でなく、グリッドに生じる抵抗力の分布も一様にならない。2.従って、引抜き抵抗力の変位依存性を考慮した補強土機構のモデル化が必要である。3.特定の不連続面を表すジョイント要素のせん断剛性に上記特性を組み込んだ解析法により、補強土効果を十分な精度で評価できた。 次年度は、今年度開発した解析手法をジオグリッド補強土擁壁に適用し、グリッドの敷設長、敷設間隔等を変えた条件下で解析を行い、これらの解析結果を基に、ジオグリッド補強土擁壁の設計のための実用的な図表を作成する予定である。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 荻迫栄治,落合英俊,林重徳: "ジオグリッド補強土壁の変形解析と設計への応用" 九州大学工学集報. 62. 537-544 (1989)
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[Publications] E.Ogisako,H.Ochiai and S.Hayashi: "Design Method of Geogrid Reinforced-Soil Retaining Wall" Proceedings of International Workshop on Geotextiles. (1989)
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[Publications] 林重徳,落合英俊,荻迫栄治,平井貴雄,瀬戸口淳一: "ジオグリッドの引抜き試験と一面せん断試験の比較" 第4回ジオテキスタイルシンポジウム論文集. 119-125 (1989)