1991 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
01460180
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
堀川 清司 埼玉大学, 工学部, 教授 (10010571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 廣昭 埼玉大学, 工学部, 助手 (20008832)
浅枝 隆 埼玉大学, 工学部, 助教授 (40134332)
池田 駿介 東京工業大学, 工学部, 教授 (60016590)
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Keywords | 振動流境界層流れ / 砂漣 / 組織渦 / 渦度 / 渦の形成 / 渦の消減 / 底面せん断応力 / 砕波条件 |
Research Abstract |
1.研究の目的:波による底質の移動については、これまでにかなりの知見が集積された。一方で近年計測技術や数値解析手法の開発が進み、波の場における流体運動の微細構造を明らかにすることが可能となった。そこで、これまでに公表された数多くの研究成果を新たな視点から見直し、引き続き定説として採用しうる事項、解明の不十分な事項を明確にすることにより、波による土砂の移動機構をより明らかにすると共に、今後の研究の方向づけをすることを意図している。 2.本年度の研究:本年度は3項目に主眼をおいて研究を行った。その第一は砂れん周辺の振動流に関する実験である。これまでは波頂の尖った砂れん模型を用いていたのに対して、やや円みを帯びた現実に近い形の砂れん模型を用いた。砂れん周辺に形成される渦の発生の条件を求めた後、種々の位相での速度分布を計測した。そのデ-タを用いて渦度の分布図を作成した。これをもとに組織渦の移動状況並びに渦の強さの増大および減衰過程を明らかにし、従来から提示されている渦度の減衰モデルの妥当性について評価した。ついで砂れん形状の相異による渦の形成の差異について検討したところ、かなりの違いのあることが明らかになった。ここで砂れん形状と振動流特性との関係を明らかにするために、中央粒径200μmの砂を用いて実験を行い、モデル砂れん形状がほぼ対応することを確認した。第二に、底面せん断応力を直接に計測するために、せん断力計の開発を試みた。その原理は、一つのセンサ-で総ての力を計測し、他のセンサ-でせん断力を除いた力を測定し、両者の差からせん断力を求めようとするものである。測定の精度を向上させるためには更に工夫を要すると考える。第三の項目としては、種々の底面勾配での砕波条件に及ぼす波の不規則性の効果について実験を行い、従来の砕波指標との対比を行った。
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[Publications] Horikawa,Kiyoshi;Ikeda,Shunsuke: "Characteristic of Oscillatory Flow over Ripple Models" Proceedings,TwentyーSecond Coastal Engineering Conference,ASCE.1. 661-674 (1991)
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[Publications] Ikeda,Shunsuke;Horikawa,Kiyoshi;Nakamura,Hiroaki;Noguchi,Kenji;: "Oscillatory Boundary Layer over a Sand Ripple Model" Coastal Engineering in Japan,JSCE.34. 15-29 (1991)
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[Publications] 中村 廣昭,山本 吉道,杉山 佳弘: "砕波後の波の変形に関する実験的研究" 土木学会第46回年次学術講演会概要集. 2. 950-951 (1991)
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[Publications] 水谷 将,堀川 清司,中村 廣昭: "砂れん周辺の振動流境界層と渦の挙動に関する実験的研究" 土木学会第46回年次学術講演会概要集. 2. 1000-1001 (1991)
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[Publications] 堀川 清司: "新編 海岸工学" 東京大学出版会, 384 (1991)