1989 Fiscal Year Annual Research Report
多重遭遇確率の減少を目指した航路体系ならびに海上交通管理の計画法
Project/Area Number |
01460187
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
奥山 育英 鳥取大学, 工学部, 教授 (90204156)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒田 勝彦 京都大学, 工学部, 助教授 (20026157)
喜多 秀行 鳥取大学, 工学部, 助教授 (50135521)
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Keywords | 多重遭遇 / 発生確率 / 推定モデル / 衝突事故 / 海上交通 / 航路体系 / 交通管理 / 計画法 |
Research Abstract |
本研究では、船舶相互の多重遭遇の定義と分類を行うため、まず既往の事故事例に関するデ-タを収集し、衝突事故の発生形態を船舶の航行位置に着目してパタ-ン化した。用いた資料は、「海難審判庁裁決録」及び「同先例調査報告書」であり、デ-タ数は約500である。検討結果より、船舶の避航にかかわる操船上の協同作用は従来考えられていたものよりかなり以前から始まり、多重遭遇が生じたと見なすための領域の大きさを再考する必要のあることが明らかになった。このため、いくつかの遭遇局面を設定して行った操船シミュレ-タ実験結果を用いて避航動作と衝突危険度を対応づけるためのモデル開発を進めることとし、基本的な検討を終えたところである。 以上のミクロ分析に対し、航路ネットワ-ク全体を対象とするマクロ分析を並行して実施した。一つは、以前提案したネットワ-クシミュレ-ションモデルを、多重遭遇に対しても用いることができるよう拡張するための概念的検討であり、他の一つは、ネットワ-クの各ノ-ドに対して算定される衝突事故確率をネットワ-ク全体として評価するための手法の開発である。後者は、ODペアごとのシステム信頼性をアベイラビリティのかたちで算定し、これをもとにネットワ-ク全体のシステム信頼性を求めるものである。多重遭遇状態を考慮するための本モデルの拡張は来年度に行う予定であるが、現行の東京湾と大阪湾に適用して実証分析を行ったところ妥当な結果を得たため、5月に開催予定の第27回国際航路会議にて成果の一部を報告することとしている。
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[Publications] K.Kuroda,Y.Okuyama and H.Kita: "Safety Assessment of Waterway Network in Bay Area" Proc.of the 27th Int.Navigation Cong.,PIANC. 2ー1. (1990)
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[Publications] 黒田勝彦・浦屋玲: "沿岸域における空間利用調整モデル" 土木計画学研究講演集. 12. 443-450 (1989)
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[Publications] H.Kita and H.Moriwaki: "Financial Systems of Port Development under the Changing Needs to Port" Reports of the Fac.of Eng.,Tottori University. 20ー1. 189-202 (1989)